ロードバイクフィッティングの際の身体チェックや既往症の聞き取りは医師法に違反するか?

 県内のとある自転車屋さんでスペシャライズドのボディージオメトリーフィットを導入するという話を見かける。

https://www.specialized.com/ja/ja/body-geometry

フィットスペシャリストは広範囲に渡る18段階のプロセスを実行して、体の柔軟性や寸法を決定します。これはバイクポジションやエキップメントをあなた専用に設定するのに大変重要となります。

寸法の測定はともかく、柔軟性の測定や結果の告知は医行為の可能性が否定できない。

導入する店舗の説明では柔軟性、可動域の検査に加えて、過去の傷病歴を聞くことも書いてある。

ロードバイクに乗っている人なら身体のあちこちが痛い、ということもあるし、そういうトラブル解決に関する記事は自転車雑誌では定番である。

つまり現在の身体症状についても聞く必要があるわけで、既往症の聞き取りといい、まさに最高裁判決で示された問診の定義*1に合致してしまう。

 

で、これらの行為は医師法違反となるのか?という話である。

刑法第35条
法令又は正当な業務による行為は、罰しない。

 という刑法の規定があるので法令に定められた行為か、正当な業務行為であれば違法性は阻却される可能性はある。

 

ちなみに鍼灸マッサージ師や柔道整復師などの国家資格者が問診や検査、所見告知を行うことは判例*2で認められております。

あはき柔は医業であるから診察行為は当然認められる、という考え方もできますし、医業ではないが、法律で定められた業務であるから刑法35条により違法性を阻却される、と考えることもできます。

 

逆に整体師やカイロプラクターなどの「素人」はこれらの行為を行う正当性がありません。

医業類似行為は法により禁止されており、問診や検査による所見告知は「保健衛生上害を及ぼすおそれのある行為」と判例は認めていますので。

 

と話がそれました。

 

で、制定法にはスポーツ基本法ってあるんですね。

スポーツ基本法(平成23年法律第78号)(条文):文部科学省

 

前文にスポーツの定義が書かれていますね。

スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵(かん)養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動

 

で、スポーツ基本法における健康関連の条文を。

第二条 スポーツは、これを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であることに鑑み、国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所において、自主的かつ自律的にその適性及び健康状態に応じて行うことができるようにすることを旨として、推進されなければならない。

 

4 スポーツは、スポーツを行う者の心身の健康の保持増進及び安全の確保が図られるよう推進されなければならない。

 

5 スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない。

 

第十四条 国及び地方公共団体は、スポーツ事故その他スポーツによって生じる外傷、障害等の防止及びこれらの軽減に資するため、指導者等の研修、スポーツ施設の整備、スポーツにおける心身の健康の保持増進及び安全の確保に関する知識(スポーツ用具の適切な使用に係る知識を含む。)の普及その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 というわけで、スポーツによる傷害防止のためなら問診や検査も問題無いように思える。

ただし、それらの権限を一般人に認めたとは明記しておらず、医療従事者によるサポートを要求しているようにも思えたりする。

 

ただ第2条において「国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所において、自主的かつ自律的にその適性及び健康状態に応じて行うことができるようにすること」と書いてあるので診療所や施術所以外でも問診や検査を認めているようにも思える。

 

しかし問診や検査を正当化し、施術を違法とするのはどういう線引でか、というのが不明である。

少なくとも私は問診や検査と、施術行為で違法合法が異なる判断をした判例は知りません。

「情報収集と提示」と「実際に効果をもたらすことを目的として体に触れる行為」と常識的には別けられそうですが。

 

チーム内などの特定少数でマッサージを行うなどであれば業性が否定されて違法性も否定されるが、不特定または多数に行うのであれば「業として」となる。

 

さすがに業としての施術行為まで合法であるとは思えないし、実際に無免許での施術行為で健康被害が発生している*3以上、認める理由もないだろう。

 

またスポーツ目的での施術を認めることになれば無免許業者はスポーツ目的だから合法、と主張するのは目に見えているわけでして。

散歩だってウォーキングと主張できるだろう。

 

ま、業として施術をしなければ私としては問題にする気は無い。

逆に業として施術をするような店やトレーナーが出てきたら違法性を問題にせざるを得なくなる。

そのときにフィッターやトレーナーが行う問診や検査が違法性を阻却できるかは判例上、施術行為と区別する根拠がなく、微妙なのである。

*1:http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51069 断食道場の入寮者に対し、いわゆる断食療法を施行するため入寮の目的、入寮当時の症状、病歴等を尋ねる行為は、その者の疾病の治療、予防を目的とした診察方法の一種である問診にあたる。

*2:昭和12年5月5日、大審院刑事判例集16巻638頁、

東京地方裁判所判決 平成5年11月1日 平成3年(特わ)1602 出典 - D1-Law.com判例体系 判例ID 28166751

*3:手技による医業類似行為の危害−整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も−(発表情報)_国民生活センター

当ブログ記事の紹介(リンクやRT)は名誉毀損になるか?

カイロ学校や施術所の違法性を指摘する記事は拡散していただきたいのですが、おそらくタイトルの件がハードルになると思います。

まずは結論から先に。

  • 法的見解は名誉毀損で判断する対象ではない。
  • 問診や検査を行っていることは学校や施術所のサイトに記載していることであり、真実と信じる相当な理由がある(嘘なら学校や施術所が虚偽広告を行っていることになる。)。
  • 記事自体に不正競争防止法違反が成立するとしても、カイロ学校や施術所と競争関係に無い一般の方が記事を紹介しても不正競争防止法違反は成立しない
  • 鍼灸マッサージ師や医師などの場合、記事の紹介が不正競争防止法違反が成立する可能性があるので判例をちゃんと検証しましょう。

以前、togetterにもまとめています。

togetter.com

 

法的見解が名誉毀損の判断対象にならないことを判示した最高裁判決はこれ。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面

要旨は

名誉毀損の成否が問題となっている法的な見解の表明は,判決等により裁判所が判断を示すことができる事項に係るものであっても,事実を摘示するものとはいえず,意見ないし論評の表明に当たる。

 ということです。

判決本文から引用しますと

一方,ある事実を基礎としての意見ないし論評の表明による名誉毀損にあっては,その行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,上記意見ないし論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,上記行為は違法性を欠くものというべきであり,仮に上記証明がないときにも,行為者において上記事実の重要な部分を真実と信ずるについて相当な理由があれば,その故意又は過失は否定される。

 

法的な見解の正当性それ自体は,証明の対象とはなり得ないものであり,法的な見解の表明が証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項ということができないことは明らかであるから,法的な見解の表明は,事実を摘示するものではなく,意見ないし論評の表明の範ちゅうに属するものというべきである。

 というわけです。

 

なので当ブログ記事を紹介しても名誉毀損は成立しません。

 

ただし、不正競争防止法違反*1の成立を否定はしておりませんので、カイロプラクティック業者と競争関係にある方、具体的には鍼灸マッサージ師や医師が当ブログ記事を紹介した場合、不正競争防止法違反が成立する可能性は否定できません。

 

こちらの判例に競争関係とはどんなものか、書いてありますので引用します。

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面

不競法2条1項14号(筆者注:現在の21号)にいう「競争関係」とは,必ずしも双方が販売競争を行っているというような現実の商品販売上の具体的競争関係にあることを要するものではなく,広く同種の商品を扱い,あるいは同種の役務を提供するという業務関係にある場合でよく,顧客獲得のため競争関係にあれば足りる。

腰痛や肩こりなどを解消する役務を提供しているのであれば競争関係は成立するでしょう。

 

なので鍼灸マッサージ師や整形外科医などが違法施術所紹介シリーズの記事を紹介する場合、引用の判例を精査する必要があります。 

 

ま、それ以外の方が記事を紹介するのは問題無い、ということだけご理解いただければ。

*1:第2条第1項第21号 

競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為

法学検定2016、ベーシックとスタンダード

自分の法律に関する知識を客観的に証明するものが無いこと。

そして鍼灸マッサージ師でも法律や裁判の仕組みを理解せずに無茶苦茶なことを言う人もおり、そういう人たちに法律などを理解してもらうのに適当な検定試験がないか。

その2つの目的から法学検定を受けてみた。

法学検定

「法学検定試験」は、公益財団法人日弁連法務研究財団と公益社団法人商事法務研究会が共同で組織した法学検定試験委員会が実施している、法学に関する学力を客観的に評価する、わが国唯一の全国規模の検定試験です。

 詳しい内容はリンク先を読んでいただくとして、ベーシック〈基礎〉、スタンダード〈中級〉、アドバンスト〈上級〉とあり、要項(PDF)によればベーシックは法学部1年〜2年、スタンダードは2〜3年ぐらいのレベルだそうで、この試験に合格すると単位をくれる大学もあるらしい。

 

私の法律に関する知識は国家一種試験の教養試験レベル(技官で受けて、一次だけ通過)と、医事法規、特に無免許医療の判例、そして職業選択の自由に関する理解のために憲法判例百選を読んだ程度である。あとプロバイダ責任制限法関連か。

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 社会科学

公務員試験 新スーパー過去問ゼミ4 社会科学

 

 

医事法判例百選 第2版 (別冊ジュリスト 219)

医事法判例百選 第2版 (別冊ジュリスト 219)

 

 

憲法判例百選1 第6版 (別冊ジュリスト 217)

憲法判例百選1 第6版 (別冊ジュリスト 217)

 

 

 

 

あとは国民生活センター消費者庁による、消費者契約法に関する判例解説を読んだ程度。

消費者契約法に関連する消費生活相談の概要と主な裁判例等(発表情報)_国民生活センター

 

なので私の法律知識はだいぶ偏っている。

もっとも法律専門職を目指すわけでもないので偏っていても構わないのだが。

ただ、私はトラブルを解決する、あるいは予防するために法律を学んでいるのではない。

業界の法秩序を変える(判例変更や人の健康に害を及ぼすおそれのある行為の明確化)ためであり、そのためには裁判所に判断してもらえる形でのトラブルが必要なのである。

そのためにはゼネラルな法知識も必要になってくる。

弁護士は法律紛争の解決・予防の専門家であって、紛争の起こし方を提案する商売では無いはず。

紛争の解決・予防のみを考えるならビジネス法務検定の方が実用的だろう。

www.kentei.org

 

と話がそれてしまった。

まあ、想定する対象者として法学部生を出しているので学術的な面が強いです。

 

で、検定の存在を知ったのは10月になってから。

ベーシックとスタンダード、一緒に受けると割引なので一緒に申し込む。

ベーシックの問題集はスマホアプリ、スタンダードの問題集は紙で購入する。

 

2016年法学検定試験問題集スタンダード〈中級〉コース

2016年法学検定試験問題集スタンダード〈中級〉コース

 

 でもほとんど勉強できず。

電車通勤してないのでスマホで問題を解くのも不向きである。

 

そんなわけでほとんど対策もできずに本番。

ベーシックは「法学入門、憲法民法、刑法」の四択問題。

仙台では約40名の受験。

民法の物権とか債権とか全くわかりません(汗)

私が民法でわかっているのは第90条と後見人、相続関係ぐらいである。

 

すでに解答は公表されていますので採点結果。

法学入門 7/10

憲法 13/15

民法 13/20

刑法 13/15

合計 46/60

 

過去のデータを見ると30〜36点で合格なのでベーシックは記入ミスなどがなければ合格確実。

憲法民法、刑法が同じ13点ですが民法は20点あるのでいかに私が民法に弱いか、というのがわかりますな。

 

で、午後からはスタンダードの試験。

科目は「法学一般、憲法民法、刑法」に加え選択科目が1科目。

選択科目は民事訴訟法、刑事訴訟法、商法、行政法基本法総合(憲法民法、刑法)

 

当初の計画は基本法総合を選ぶつもりだったんですが、民法は上述のとおりだし、憲法だって職業選択の自由表現の自由に関する判例ばっかり読んでいて統治機構の細かいところなんて覚えていない。そんなことを午前のベーシックの試験で思い知らされた。

 

そんなわけで、以前に本人訴訟の本も読んでいるので民事訴訟法を選択することに。

 

で、採点結果

法学一般 8/10

憲法 11/15

民法 8/20

刑法 9/15

民事訴訟法 8/15

合計 44/75

 

過去のデータをみると合格ラインは40〜45点なので通知が来るまでは結果がわからない状態です。

 

でもこれで受かるのもなんだかな、という気もします。

---2016/11/29編集---

ツイートを埋め込んでいましたが、削除。

直接抗議は来てないのですが、ツイートのブログ掲載の事後報告にご不満なようでしたので。

 

なお、公開アカウントによるツイートの再利用などはツイッターの規約により了承済みとなっています。

Terms of Service | Twitter

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社があらゆる媒体または配信方法(既知のまたは今後開発される方法)を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)を当社に対し無償で許諾することになります。このライセンスによって、ユーザーは、当社や他の利用者に対し、ご自身のツイートを世界中で閲覧可能とすることを承認することになります。ユーザーは、このライセンスには、Twitterが、コンテンツ利用に関する当社の条件に従うことを前提に、本サービスを提供、宣伝および向上させるための権利ならびに本サービスに対しまたは本サービスを介して送信されたコンテンツを他の媒体やサービスで配給、放送、配信、プロモーションまたは公表することを目的として、その他の企業、組織または個人に提供する権利が含まれていることに同意するものとします。ユーザーが本サービスを介して送信、投稿、送信またはそれ以外で閲覧可能としたコンテンツに関して、Twitter、またはその他の企業、組織もしくは個人は、ユーザーに報酬を支払うことなく、当該コンテンツを上記のように追加的に使用できます。 

---(追記終わり)---

ちなみに民事訴訟法は私の場合、原告適格や裁判の土地管轄といったあたりが関係してきます。

本来なら手続きに関しては弁護士に任せるのが良いんでしょうけど、予め知っておかないと対応できないこともありますので。

 

冤罪が怖い人、陥れられそうな人、犯罪被害にあったときに警察の怠慢が許せない人は刑事訴訟法を勉強しても損はないかと思います。

 

行政との交渉が必要な場合もあるので行政法の理解もあったほうが話は進めやすいかも。

 

というわけでちゃんとそこら辺を勉強しておきたいのでスタンダードが落ちても気にしないことにしよう。

 

 

 

 

 

 

無免許業者をいっその事、法律で認めてしまい、規制をかけるという方法(最高裁判例変更の難しさ)

 

鍼灸マッサージ師や柔道整復師などの国家資格者はあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律や柔道整復師法において、広告できることが制限されている。

 

第七条  あん摩業、マツサージ業、指圧業、はり業若しくはきゆう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。
一  施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
二  第一条に規定する業務の種類
三  施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
四  施術日又は施術時間
五  その他厚生労働大臣が指定する事項

○2  前項第一号乃至第三号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。

 

 

厚生労働大臣が指定する事項としては

1.もみりょうじ
2. やいと、えつ
3. 小児鍼(はり)
4. あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第9条の2第1項前段の規定による届出をした旨
5.医療保険療養費支給申請ができる旨(申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
6. 予約に基づく施術の実施
7.休日又は夜間における施術の実施

8. 出張による施術の実施

9. 駐車設備に関する事項

といった具合です。

 

そんなわけで料金表示や適応症(腰痛、肩こりでさえも)を広告することができません。

 

なお、広告というのは見た者が意図せずに見せられる広告物だそうで、ネットの場合は見た者が自分自身でクリックして見るページに関しては広告とみなされません。ただしバナー広告やリスティング広告の表現は広告とみなされます。

 

適応症はともかく、料金すら表示を禁止されているものですからタウン誌などに割引券を出すようなことが国家資格者の施術所ではできません。で、適応症も書けないから広告効果が期待できず、出稿しない。

なので無免許業者ばっかり広告を出すようになり、タウン誌の運営会社も無免許業者の言いなりになるわけです。

 

で、最初に示したツイートのような憤りが出てくるわけです。

 

政治権力が無い人間が立法論を語っても仕方ないんですが、立法政策的には

  1. 国家資格者の広告規制を緩和する
  2. 無免許業者の存在を法律で認め、規制をかける

といった方法が取れるかと思います。

ただ1は難しい。

この業界、倫理観を持たない無免許業者と競争関係にある以上、過剰な表現を行う者が絶対に出てくるだろうと。

 

そんなわけで2の方がまだ実現できるのではないかと思うわけです。

 

ただ、我々国家資格者として、無免許業者に譲歩しうるのは「人の健康に害を及ぼすおそれの無い行為」を行うことを認めるまでです。

判例医師法違反とされる行為を免責するような法律は認められません。

 

なので立法で下記のことを定めるのも一つの方法かと思うわけです。

  • 問診、検査法、身体症状に関する告知、その他判例で医行為とされる行為を具体的に上げて禁止する。
  • 保健所への届け出の義務化
  • 国家資格者と同様の広告規制
  • 国家資格者と同様の義務(守秘義務など)
  • 国家資格の存在と、自身が国家資格を持たない旨を利用者に書面を用いて説明し、書面で了解を得る。

問診や検査法の禁止を無免許業者は嫌がるでしょうが、それらを医行為とする判例があるので認めるわけにはいかない。

 

違法行為が蔓延しているから、それを行うことを認めろ、というのは法治国家としては認められないわけです。

テロリストへの譲歩と変わりなく、将来、他の違法行為を立法において合法化する手段として容認されてしまう。

 

もっともこのような譲歩自体、医療従事者としては倫理観を失っているのかもしれません。

 

d.hatena.ne.jp

 昭和35年の判決の石坂修一裁判官の反対意見より

裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面

 私は、多数意見の結論に賛同できない。
 原審の判示する所は、必ずしも分明であるとはいえないけれども、原審挙示の証拠とその判文とを相俟つときは、原審は、被告人が、HS式高周波器といふ器具を用ひ、料金を徴して、HS式無熱高周波療法と称する治療法を施したこと、即ち右施術を業として行つたこと、HS式無熱高周波療法は、電気理論を応用して、単なる健康維持増進のためのみならず、疾病治療のためにも行はれ、少くとも右HS式無熱高周波療法が、これに使用せられる器具の製作者、施術者並に被施術者の間では、殆んど凡ての疾病に顕著な治療効果があると信ぜられて居ること及び右治療が、HS式高周波器により二枚の導子を以つて患部を挟み、電流を人体に透射するものであることを認定して居るものと理解し得られる。
 かゝる治療方法は、健康情態良好なる人にとりては格別、違和ある人、或は疾病患者に、違和情態、疾病の種類、その程度の如何によつては、悪影響のないことを到底保し難い。それのみならず、疾病、その程度、治療、恢復期等につき兎角安易なる希望を持ち易い患者の心理傾向上、殊に何等かの影響あるが如く感ぜられる場合、本件の如き治療法に依頼すること甚しきに過ぎ、正常なる医療を受ける機会、ひいては医療の適期を失い、恢復時を遅延する等の危険少なしとせざるべく、人の健康、公共衛生に害を及ぼす虞も亦あるものといはねばならない。(記録に徴しても、HS式高周波器より高周波電流を人体に透射した場合、人体の透射局所内に微量の温熱の発生を見るのであつて、健常人に対し透射時間の短いとき以外、生理的
に無影響とはいえない。)
 されば、HS式無熱高周波療法を、健康の維持増進に止まらないで、疾病治療のために使用するが如きことは、何事にも利弊相伴う実情よりして、人体、及びその疾病、これに対する診断並に治療についての知識と、これを使用する技術が十分でなければ、人の保健、公共衛生上必ずしも良好なる結果を招くものとはいえない。
したがつて、前記高周波器を使用する右無熱高周波療法を業とする行為は、遽に所論の如く、公共の福祉に貢献こそすれ、決してこれに反しないものであるとなし得ない。
 而してあん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法が、かゝる医業類似行為を資格なくして業として行ふことを禁止して居る所以は、これを自由に放置することは、前述の如く、人の健康、公共衛生に有効無害であるとの保障もなく、正常なる医療を受ける機会を失はしめる虞があつて、正常なる医療行為の普及徹底並に公共衛生の改善向上のため望ましくないので、わが国の保健衛生状態の改善向上をはかると共に、国民各々に正常なる医療を享受する機会を広く与へる目的に出たものと解するのが相当である。
 したがつて原判示の如き器具を使用して、原判示の如き医業類似行為を業とすることを禁止する本法は、公共の福祉のため、必要とするのであつて、職業選択の自由を不当に制限したとはいえないのであるから、これを憲法違反であるとは断じ得ない。単に治療に使用する器具の物理的効果のみに着眼し、その有効無害であることを理由として、これを利用する医業類似の行為を業とすることを放置すべしとする見解には組し得ない。
 原判示は以上と同趣旨に出で居るのであるからこれを維持すべきものであると考へる。

このように、施術そのものが人の健康に害を及ぼすおそれの無い行為であっても医療ネグレクトを引き起こす以上、あはき法第12条の判例変更を目指す、というのは正しいのですが、方法論が難しい。

 

このような医療ネグレクトの被害者に裁判を行っていただかないと、判例変更(人の健康に害を及ぼすおそれが無くても医業類似行為を行っただけで禁止処罰するようにする)が難しい。

 

私のような鍼灸マッサージ師が行えるのは無免許施術を違法行為と指摘し、不正競争防止法違反で訴えられて、無免許業者の施術が「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」か否かを争うまでです。

 

なぜかと言えば、判例変更ができない場合に備え、違法行為と批判できるのは「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」に限られてしまうからです。

 

「おそれ」を立証できずに違法行為として批判した場合、判例変更がされずに損害賠償を命じられる可能性もあるわけで。

 

そして弁護士に相談したときに言われたことですが、

「裁判官は憲法判断や判例変更を避ける。」

ということです。

 

つまり私が「おそれ」を立証している場合、「おそれ」のある行為だから判例変更を判断するまでもない、という可能性が高いわけです。

 

相談した弁護士いわく

 

違憲判断や判例変更しないと救えないケースで、違憲判断や判例変更をしてでも救うべきと裁判官が考えるケースでなければ違憲判断や判例変更はされない。「人の健康に害を及ぼすおそれの無い行為」で裁判官が救うべきと考えるケースが有るか?」

 

ということでして。

 

もっともこの意見には非摘出子の相続格差違憲判断のときも、救うべき事情がなければ合憲判断されたのか?という疑問もありますが。

 

で、そういうケースとなると無免許業者が標準医療を否定し、医療ネグレクトの結果、症状が悪化したり、回復が遅れたケースになるのだろうと。

 

ただ、そういう具体的な被害までは鍼灸マッサージ師が把握するのは困難であり、医師や患者さんの協力が不可欠であります。

 

もっとも私も医師も医療ネグレクトの裁判当事者にはなれないんですけどね。

 

仮に患者さんが訴えたとしても無免許業者が高額の和解金をちらつかせて和解に持っていくという方法もあるわけです。

下記リンクは過払い金請求に関するものですが、不利な判決を出される前に2倍の和解金を提示し、判決を回避しようとしてます。

プロミスの場合(過払い金請求の話) | 庶民の弁護士 伊東良徳

しかし、プロミスは、最高裁が口頭弁論期日を指定して、自らが負ける可能性が高いと知るや、2012年3月15日付で請求認諾(原告の請求通りの義務があることを認めるということ)の書面を提出しました。民事裁判では、被告が原告の請求を認諾すると、裁判所がその内容の調書を作成し、判決をせずに終わることになっています。プロミスは敗訴判決を避けるためになりふり構わず卑劣な策略に出たのです。


 もう少し具体的に経過を説明すると、2012年2月20日、プロミスの管理部から私のところへ電話がかかってきました。最高裁が弁論期日を指定した事件の2人について和解したいというのです。私が、最高裁が口頭弁論期日を指定してるのに和解する弁護士がいると思いますか?もう勝つとわかってるのに、それに最高裁に失礼じゃないですかというと、プロミスの管理部の者は、先生の立場はわかるが弊社としては判決を受けるわけにはいかないので和解してもらえないなら認諾する方針です、というので、私は、認諾なんかしたらあちこちで大声で卑怯者といって回ってやるといいました。そうするとプロミスの管理部の者は、そういうのも望ましくないので、できれば認諾ではなく和解して訴え自体を取り下げてもらい、この裁判自体なかったことにしたい、和解金は請求額の2倍支払う、先生の立場は立場として、和解すれば請求額の2倍もらえるのに和解を蹴って認諾になったら請求額しかもらえない、依頼者はなんていうか意思確認してもらえませんかという趣旨のことをいいました。簡単にいえば、弁護士は転ばなくても依頼者は金を積めば転ぶだろう、依頼者に黙って和解を蹴ったら依頼者の利益に反する行動をしたということで弁護士が問題にされるだろうという、札束で人の面を張り、弁護士を恫喝する態度に出たのです。

(下線や強調は筆者による)

というわけで、被害者に高額和解金を蹴ってまで判決まで闘って下さい、とも言い難く、判例変更はイバラの道なのです。

プロバイダ責任制限法と消費者契約法

まずはこのまとめから。

togetter.com

消費者契約法に触れるような規約があるから是正してちょうだい、という申し入れである。

で、適格消費者団体というのはそういう不当な規約の削除を求める裁判を起こせたりする。

 

matome.naver.jp

 

このnaverのまとめの方が具体的なエピソードもあってわかりやすいでしょう。

 

で、話は変わってプロバイダ責任制限法の話。

送信防止措置(非公開や削除)に関する条項として

 

第三条  特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときは、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下この項において「関係役務提供者」という。)は、これによって生じた損害については、権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることが技術的に可能な場合であって、次の各号のいずれかに該当するときでなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該関係役務提供者が当該権利を侵害した情報の発信者である場合は、この限りでない。


一  当該関係役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知っていたとき。


二  当該関係役務提供者が、当該特定電気通信による情報の流通を知っていた場合であって、当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき。

 

とある。

この条件を満たしている場合には権利侵害を受けた者からの損害賠償を免責しない、ということである。

 

プロバイダ責任制限法に関しては総務省が解説資料をPDFで公開している。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000418070.pdf

8頁以降に送信防止措置については書いてある。

 

1 第1項関係
(1) 概要
本項は、特定電気通信役務提供者が、自ら提供する特定電気通信による他人の権利を侵害する情報の送信を防止するための措置を講じなかったことに関し、特定電気通信役務提供者に作為義務が生ずるのかどうかが明確ではない中で、当該情報の流通により権利を侵害されたとする者との関係での損害賠償責任(不作為責任)が生じない場合を可能な範囲で明確にするために規定するものである。
本項の規定により、特定電気通信役務提供者が不作為責任を負いうる場合が一定の範囲で明確化されることとなり、問題とされる情報に対して特定電気通信役務提供者による適切な対応が促されることになるものと期待される。

また、逆に、特定電気通信役務提供者が、問題とされる情報の送信を防止する措置を講じないことにより不作為責任を問われることをおそれるあまり、過度に送信を防止する措置を行って発信者の表現の自由を不当に侵害することを抑止する効果も有するものと考えられる。

(強調筆者)

 12頁目

(ii) 権利侵害に関する認識
次に、関係役務提供者が、不作為責任を問われる可能性があるのは、(i) の特定電気通信により当該情報が流通しているという事実を認識していた場合であって、さらに、権
利侵害に関する認識という観点から、当該関係役務提供者が当該情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知っていたとき(第1号)、又は、当該関係役務提供者が当該情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき(第2号)、に限られることとするものである。
ここで、「認めるに足りる相当の理由」とは、通常の注意を払っていれば知ることができたと客観的に考えられることである。どのような場合に「相当の理由」があるとされ
るのかは、最終的には司法判断に委ねられるところであるが、例えば、関係役務提供者が次のような情報が流通しているという事実を認識していた場合は、相当の理由がある
ものとされよう。
・ 通常は明らかにされることのない私人のプライバシー情報(住所、電話番号等)
・ 公共の利害に関する事実でないこと又は公益目的でないことが明らかであるような誹謗中傷を内容とする情報

逆に、以下のような場合には、「相当な理由があるとき」には該当せず、関係役務提供者は責任を負わないものと考えられる。
他人を誹謗中傷する情報が流通しているが、関係役務提供者に与えられた情報だけでは当該情報の流通に違法性があるのかどうかが分からず、権利侵害に該当するか否かについて、十分な調査を要する場合
・ 流通している情報が自己の著作物であると連絡があったが、当該主張について何の根拠も提示されないような場合
・ 電子掲示板等での議論の際に誹謗中傷等の発言がされたが、その後も当該発言の是非等を含めて引き続き議論が行われているような場合

そんなわけで他人の名誉などを毀損する記事を書いたとしても、違法性阻却事由が主張され、その主張が明確に成り立たないものでなければ送信防止措置を取らなくても、批判した対象者に対する損害賠償責任は生じない。

 

では第3条第2項、発信者に対するプロバイダ等の責任に関してみていこう。

2 特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。

一  当該特定電気通信役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき


二  特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者から、当該権利を侵害したとする情報(以下この号及び第四条において「侵害情報」とう。)、侵害されたとする権利及び権利が侵害されたとする理由(以下この号において「侵害情報等」という。)を示して当該特定電気通信役務提供者に対し侵害情報の送信を防止する措置(以下この号において「送信防止措置」とう。)を講ずるよう申出があった場合に、当該特定電気通信役務提供者が、当該侵害情報の発信者に対し当該侵害情報等を示して当該送信防止措置を講ずることに同意するかどうかを照会した場合において、当該発信者が当該照会を受けた日から七日を経過しても当該発信者から当該送信防止措置を講ずることに同意しない旨の申出がなかったとき。

権利侵害があったと認める相当な理由か、発信者に対する照会が免責の必要条件となっているわけです。

 

上記の総務省解説14頁より

(i)「権利が不当に侵害されている」

「権利が侵害されている」とは、民法第 709 条の「他人ノ権利ヲ侵害シタル」と同義であるが、「権利が不当に侵害されている」とは、単に違法な権利侵害があることに加え
て、正当防衛のような違法性阻却事由等がないことをも含む意である。これは、表現の自由との関係で本項の要件についてはできる限り限定的に規定することが望ましいこと
によるものである。

 というわけで送信防止措置は、発信された情報に違法性阻却事由が無いことまで要求しています。

 

しかしこの規定は任意規定と解釈するのが一般的なようです。*1

任意規定ということはこれに反する契約を結んでも有効というわけです。

これの反対は強行規定であり、強行規定に反する契約は無効です。

例えば最低賃金を下回る労働契約だったり、殺人契約だったり。

 

ではtogetter利用規約を見てみましょう。

利用規約 - Togetterまとめ

ユーザーは、本サービスの利用にあたって、以下に規定する各行為に該当する投稿のまとめ及び編集、コメントの投稿、並びにその他一切の行為(以下に規定する各行為に該当するTwitterの投稿をまとめ又は編集の対象に含める行為を含みます)を行ってはいけません。

ユーザーの故意・過失を問わず、以下の各行為に該当するとトゥギャッターが判断した場合、トゥギャッターは、そのユーザーに対して事前の通知又は予告をすることなく該当するまとめ若しくは編集又はコメント等の削除若しくは非公開措置、本サービスの利用停止措置又は利用機能制限等の必要な措置を採ることがあります。なお、トゥギャッターは、それらの措置又はユーザーが本条に違反したことにより受けた措置についての問い合わせ等は一切受け付けておりません。

(強調は筆者による)

 

そんなわけでtogetter利用規約プロバイダ責任制限法に背いているわけである。で、任意規定であるからにはそれは問題にならない。

 

しかし、この規定は本当に任意規定なのか?

憲法には表現の自由が規定されているものの、憲法というのは国家を規制するものであり、民間人同士を直接は規制しない。

なので具体的な法律や公序良俗などで私人間では判断されることになる。

 

で、最初に述べた消費者契約法です。

消費者契約法の対象は個人と事業者の間で結ぶ、労働契約以外の契約です。

 

そうなるとtogetter社とまとめ記事を作成する個人の間の契約も消費者契約法の規制対象なわけです。

 

で、消費者契約法第10条は

 

民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

とあるわけです。

"民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合"というのは任意規定のようです。

消費者契約法第10条 - Wikibooks

 

プロバイダ責任制限法よりも発信者(消費者)の利益を害する規約は有効なのかと。

 

というわけで、togetter社に正当な理由もなく(違法性阻却事由がある)、非公開にされた方々が特定消費者団体に被害を訴えれば条項の改正か、無効を求める申し入れ、裁判を行ってくれるのではないか、と思ったり。

 

もっともプロバイダ責任制限法のプロバイダ等って掲示板の管理者とかも含まれ、そういう個人に違法性阻却事由まで考えろ、という要求をするのは難しいのかもと思ったり。

 

ただ、記事の作成を不特定多数に解放しているサイトまで一方的な送信防止措置を認めるのは表現の自由からして問題としか思えないのである。

*1:商事法務、発信者情報開示・削除請求の実務ーインターネット上の権利侵害への対応ー41頁

日本カイロプラクティックドクター専門学院札幌校と直営店RAKUNEの違法性

2021/02/12追記

同時飽和攻撃を避けるため、一部の記事を非公開にしております。

追記終わり。

 

前回の記事ではサインカイロプラクティックの違法性を指摘しましたが、今回はその施術者がカイロプラクティック療法を習ったと思われる日本カイロプラクティックドクター専門学院札幌校、およびその直営店RAKUNEに関して検証していきます。

binbocchama.hatenablog.com

 送信防止措置を取られないように説明が長くなりますので先に結論を箇条書きに。

  • 日本カイロプラクティックドクター専門学院は厚生労働大臣による認可は受けておりません。「資格」を得ても民間資格であり、法律上の扱いは「無資格者」です。
  • 専門学院では問診、触診、検査を教え、安全性の確保のためには施術者の判断が必要な行為を教えています。またOBはカイロプラクティック療法に健康上のリスクが有ることを認識しています。
  • これらの行為は医行為であり、医師免許などの医療系国家資格を持たずに行えば医師法第17条違反(無免許医業)、あるいはあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第12条違反(医業類似行為、人の健康に害を及ぼすおそれのある行為)となります。
  • 医行為を医療系国家資格を持たない、あるいは取得予定の無い者に教える契約は公序良俗違反であり、無効な契約です。よって学院側は授業料を全額返還すべきです。
  • 同様に、患者さんとの違法施術契約も公序良俗違反であり、違法施術を行った施術者は返金に応じなければいけません。そのようなリスクを解消するにはカイロプラクティック療法が合法である旨の判決を得るのが根本的な解決方法です。
  • 上記の判決を得るために、日本カイロプラクティックドクター専門学院はこの記事に関し、私、びんぼっちゃまを不正競争防止法違反で訴えるべきです。
  • ただし、上記の訴訟はカイロプラクティック療法が違法である判決がくだされる可能性のある両刃の刃です。違法性を認識していれば訴訟を行うのは賢い選択ではありません。しかし合法の自信があれば訴訟を避ける理由は無いはずです。
  • 日本カイロプラクティックドクター専門学院を認定しているカイロプラクティック療法振興事業協同組合は、理事長が参議院選挙の比例代表に出れるほどの資金力があります。裁判を行う上で、費用は問題にならないでしょう。

 

 日本カイロプラクティックドクター専門学院は厚生労働大臣の認可を受けているか?

 

まずサイトの上部に
"(厚生労働大臣認可)カイロプラクティック療法振興事業協同組合認定校"
と書いてありますね。

f:id:binbocchama:20161116232107j:plain

 

 

またこちらの学校紹介にも

現在、我国では50校を上回るカイロ教育機関がありますが、その中でも当学院はCCE(カイロプラクティック教育協議会)の基準に基づいた真の教育を行っている厚生労働大臣認可:カイロプラクティック療法振興事業協同組合認定の唯一の専門学院です。

(下線は筆者による)

 

と書いてあります。

 

www.chiro-kumiai.or.jp

 

 

厚生労働大臣認可」とありますが、これはあくまでも事業協同組合としての認可であり、施術の安全性、有効性を厚生労働大臣が認可したものではありません。
図にすると以下のとおりです。

 

f:id:binbocchama:20161116232242j:plain

 

 

これ、ちゃんと入学申込時に説明しているんですかね?

  • 施術の安全性や有効性を厚生労働大臣が認可したものではないこと。
  • 専門学院で取得できる資格は民間資格であり、法的には何の意味もないこと。
  • 手技療法の国家資格が別にあること

 

このあたりをちゃんと説明しないと消費者契約法の不利益事実の不告知に該当するかと思うのですが。

 

消費者契約法による契約解除|岩見沢市消費者センター

"3.故意による不利益事実の不告知(4条2項)
契約内容の重要事項に関連して、消費者の利益になることを説明しながら、不利益な部分についてわざと隠し説明しないと消費者が誤認した場合。未熟な営業マンが知識不足で“単に”説明しなかった、という場合は取り消しできないということになってしまいます。⇒ここも本法の問題点!)
※「利益については説明している」ということと、「不利益な部分についてわざと説明しなかった」ということの2つが必要となります。"

 

教えている施術内容の違法性

 

では教えている施術内容を検討していきましょう。

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togetterのまとめ記事が非公開とされてしまったので、表現の自由を確保するために開設してみる。

 

 

ところでこのtwitter貼り付け、自分のTLなどからしか貼り付けられないのかしら?