グリーン車と女性専用車両
というわけで、普通列車グリーン車が導入されている路線に女性専用車両が導入されていないのである。
痴漢を避けるためにグリーン車を利用する女性もいると思われ、すでにグリーン車を導入している路線で女性専用車両を導入すれば減収になりかねない。
株式を上場している会社としては自ら減収を招く施策はできまい。
さて、JR東日本は中央線にグリーン車を導入する予定であるが、その際、女性専用車両をどうするのであろうか?
性別で排除される女性専用車両よりは料金で選別されるグリーン車のほうがまだ平等である。
ところで最近は私鉄でも拝島ライナーや京王ライナーのように、追加料金の列車が出てきている。
これは列車の編成まるごとであるが、指定席車両を通常の列車に設けても良いのではないか。とくにロングシートとクロスシートを変換させられる編成なら可能かと思うのだが。
リラクゼーション(無免許マッサージ)で食えないからと、エッチなサービスもした事例
マンションで違法風俗店経営、女2人を逮捕 | NNNニュース
岐阜県関市のマンションで違法に風俗店を営業したとして17日、女2人が風営法違反の疑いで逮捕された。逮捕されたのはマッサージ店「LANI」経営の塚原美香容疑者(33)とマッサージ店「アンベリール」経営の加藤美奈子容疑者(47)。警察によると、2人は去年から今年にかけ、関市倉知のマンションでそれぞれ違法に風俗店を営業し、男性客に性的サービスを提供した疑い。調べに対し2人は「間違いない」と容疑を認めているという。去年8月に匿名の情報提供があり逮捕に至ったといい、警察は営業を始めた時期や経緯などを詳しく調べている。
「マッサージ店」と書かれているが、エキテンを見るとこんな感じで、おそらく無免許マッサージだと思われる。
この2店、同じマンションの4階と2階である。
さて、ぐぐったら爆サイなる掲示板のスレが見つかった。
内容が18禁なのでクリックは注意。
関市 LANI - 岐阜メンエス・回春・癒し・お店掲示板|爆サイ.com東海版
アンベリール�F - 岐阜メンエス・回春・癒し・お店掲示板|爆サイ.com東海版
#637 2018/02/19 20:20
主犯の桜井にそそのかされて美咲さんも🐜♂💦
エキテンの予約表やblogではそんなに客来て無いようだったけれど。
なんか可哀想過ぎる。画像👧まで流されて。
エッチなサービスでも客が来てなかったのか、通常の無免許マッサージ(アロマトリートメントなど)で客が来てなかったからエッチなサービスに手を出したのか。
掲示板を読む限り、施術そのものは下手くそだったらしい。
本番行為もあったように書かれているが、真偽は不明。
最初から性的なサービスを行うつもりでこの業界に入ってきたわけではないと思うが。
マッサージの免許を持っている場合、保険での訪問マッサージ業者に雇ってもらう、という手があるために、食えないからと、売春行為までしなくてすむ。
ちなみに今回の事件ではこんなまとめ記事も作成されている。
このように犯罪者の実名はネットに残り続けるのである。
無免許マッサージに手を出したために売春行為をせざるを得なくなり、その記録が永遠に残る。
そんなリスクを無免許マッサージの業界に入ろうとする女性たちは認識しているのであろうか?
理学療法士や作業療法士は超音波画像検査をして良いのか。
全文を読むには登録が必要だが、超音波画像監視のもと、生理食塩水等を癒着部位に注入して剥がす治療法(ハイドロリリース)に関する記事を読んだ。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201802/554682.html
私が気になったのは治療法自体ではなく、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)に超音波画像検査(エコー)を行わせている、という点である。
同病院のPTとOTはエコーを使ってハイドロリリースを行う場所の同定ができるようトレーニングを積んでいる。外来が混雑している場合は先にPT・OTがハイドロリリースを実施する場所の当たりを付け、医師は外来で注射をすればいいという状態にしておくケースもある(症例2)。
理学療法士及び作業療法士法(PTOT法)の業務規程
PT・OTの業務根拠はPTOT法の第15条に規定される。
第十五条 理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。
2 理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定は、適用しない。
で保助看法の規定は
第三十一条 看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
第三十二条 准看護師でない者は、第六条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
である。
コメディカル全般に言えることだが、医師の指示の下の診療の補助行為は看護師が行うのが原則であり、各コメディカル職は保助看法の例外としてそれぞれの業務を行うことができる。
超音波画像検査を行うことが法令で明文化されている職種
看護師以外に超音波画像検査を法令で認めらている職種としては臨床検査技師と診療放射線技師がある。
それぞれ法令を見てみよう。
臨床検査技師の場合
臨床検査技師等に関する法律より
第二条 この法律で「臨床検査技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床検査技師の名称を用いて、医師又は歯科医師の指示の下に、微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査、生化学的検査及び厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とする者をいう。
第二十条の二 臨床検査技師は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として採血及び検体採取(医師又は歯科医師の具体的な指示を受けて行うものに限る。)並びに第二条の厚生労働省令で定める生理学的検査を行うことを業とすることができる。
で、臨床検査技師等に関する法律施行規則より
第一条 臨床検査技師等に関する法律(以下「法」という。)第二条の厚生労働省令で定める生理学的検査は、次に掲げる検査とする。
一 心電図検査(体表誘導によるものに限る。)
二 心音図検査
三 脳波検査(頭皮誘導によるものに限る。)
四 筋電図検査(針電極による場合の穿せん刺を除く。)
五 基礎代謝検査
六 呼吸機能検査(マウスピース及びノーズクリップ以外の装着器具によるものを除く。)
七 脈波検査
八 熱画像検査
九 眼振電図検査(冷水若しくは温水、電気又は圧迫による刺激を加えて行うものを除く。)
十 重心動揺計検査
十一 超音波検査
十二 磁気共鳴画像検査
十三 眼底写真検査(散瞳どう薬を投与して行うものを除く。)
十四 毛細血管抵抗検査
十五 経皮的血液ガス分圧検査
十六 聴力検査(気導により行われる定性的な検査であつて次に掲げる周波数及び聴力レベルによるものを除いたものに限る。)
イ 周波数千ヘルツ及び聴力レベル三十デシベルのもの
ロ 周波数四千ヘルツ及び聴力レベル二十五デシベルのもの
ハ 周波数四千ヘルツ及び聴力レベル三十デシベルのもの
ニ 周波数四千ヘルツ及び聴力レベル四十デシベルのもの
十七 基準嗅覚検査及び静脈性嗅覚検査(静脈に注射する行為を除く。)
十八 電気味覚検査及びろ紙ディスク法による味覚定量検査
と超音波検査が省令で明文化されている。
診療放射線技師の場合
診療放射線技師法より
第二条 この法律で「放射線」とは、次に掲げる電磁波又は粒子線をいう。
一 アルフア線及びベータ線
二 ガンマ線
三 百万電子ボルト以上のエネルギーを有する電子線
四 エツクス線
五 その他政令で定める電磁波又は粒子線2 この法律で「診療放射線技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、医師又は歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射(撮影を含み、照射機器又は放射性同位元素(その化合物及び放射性同位元素又はその化合物の含有物を含む。)を人体内にそう入して行なうものを除く。以下同じ。)することを業とする者をいう。
第二十四条 医師、歯科医師又は診療放射線技師でなければ、第二条第二項に規定する業をしてはならない。
第二十四条の二 診療放射線技師は、第二条第二項に規定する業務のほか、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として、次に掲げる行為を行うことを業とすることができる。
一 磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であつて政令で定めるものを用いた検査(医師又は歯科医師の指示の下に行うものに限る。)を行うこと。
二 第二条第二項に規定する業務又は前号に規定する検査に関連する行為として厚生労働省令で定めるもの(医師又は歯科医師の具体的な指示を受けて行うものに限る。)を行うこと。
とあり、診療放射線技師が画像診断装置を用いた検査を行えることを法律で明文化している。
第十七条 法第二十四条の二第一号の政令で定める装置は、次に掲げる装置とする。
一 磁気共鳴画像診断装置
二 超音波診断装置
三 眼底写真撮影装置(散瞳薬を投与した者の眼底を撮影するためのものを除く。)
四 核医学診断装置
とある。
PTOT法の記述
e-govで理学療法士及び作業療法士法、同施行令、同施行規則を表示し、「超音波」「画像」「検査」を検索したがヒットしなかった。
法律の反対解釈
法律の解釈方法として反対解釈というのがある。
弁護士などの解説をリンクすべきであろうが、わかりやすいのが見つけられなかったのでWeblio辞書より。
法の解釈において,法文中に規定されている事項以外の事項については,その法文の意味と反対の意味を引き出して解釈すること。車馬の通行を禁止するという法文に対して,人は通行してもよいと解釈するのがその例。
PTOT法の第15条第2項においてはPTのみがマッサージを行うことができるとされているので、OTは医師の指示があってもマッサージを行うことができない。
これが反対解釈である。
あはき法においてはあん摩マッサージ師の養成校の認定に関してのみ、認可基準を満たしていても拒否できる規定あるのに対し、柔道整復師法にはそういう規定は無い。
よって反対解釈で、認可基準を満たした申請に関しては国に拒否する裁量権はない、という判決があり、この判決のため、PTやOTの養成校も増えたのである。
臨床検査技師や診療放射線技師は超音波画像診断装置の使用に関し、法令で明文化されているのに対し、PTやOTは明文化された法的根拠が無いため、反対解釈により医師の指示の下であっても超音波検査を行うことは保助看法に違反するのではないか。
あはき柔との比較
なお、柔道整復師はその業務範囲内で利用する限り、超音波画像検査が医師法に違反しない、という通知がある。
施術所における柔道整復師による超音波画像診断装置の使用について - 広島県ホームページ
そのため、鍼灸師でも超音波検査を行う施術所もある。
なのでPTやOTが超音波検査を行っても良いではないか、という考えもあると思う。
ただし、鍼灸マッサージ師や柔道整復師は独立判断で治療行為を行う免許であり、医師法の例外法規である。
その点、PTOT法は保助看法の例外法規である。
そして保助看法の例外法規で超音波画像検査に関して明文化されているのは前述のとおりである。
また超音波検査に限定しなければ視能訓練士法にもこのような規定がある。
第二条 この法律で「視能訓練士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、視能訓練士の名称を用いて、医師の指示の下に、両眼視機能に障害のある者に対するその両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査を行なうことを業とする者をいう。
第十七条 視能訓練士は、第二条に規定する業務のほか、視能訓練士の名称を用いて、医師の指示の下に、眼科に係る検査(人体に影響を及ぼす程度が高い検査として厚生労働省令で定めるものを除く。次項において「眼科検査」という。)を行うことを業とすることができる。
2 視能訓練士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査並びに眼科検査を行うことを業とすることができる。
視能訓練士は訓練が主な業務目的だが、それに必要な検査が行える旨も法律で明文化している。
超音波検査に限らず、理学療法や作業療法に必要な徒手検査自体、実は法律では認められていない、という可能性を否定できない。
ましてや絶対的医行為である生理食塩水等の注射注入行為のための超音波画像検査をや。
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富士見産婦人科病院事件は無資格者に超音波検査などを行わせた院長が保助看法違反に問われ、超音波検査をしていた無資格者は医師法違反に問われた。
いずれも有罪確定である。
春から上京する方へ。物件の選び方の失敗例
春から大学進学や就職で上京する方も多いでしょうし、物件選びのアドバイスを。
もっとも私が東京で暮らしていたのは大分前なので、現在では役に立つかどうか不明ですし、そもそも私のフォロワーにそれぐらいの年頃の方がいるとも思えないのですが。
高くても通勤通学時間が短い物件を。
私は田舎暮らしで、家賃なんて無駄と思っていて、大学から遠くて安い物件を最初に選んで住んだが、これは失敗である。*1
片道15分節約できれば1日30分、1週間(5日)で2時間半、一ヶ月で10時間の節約である。
あとは自分の時間の価値をかけてみるべきだが、時給1,000円と考えれば1万円の価値はある。
また部屋が大学に近ければ大学のリソースに頼りやすい、というのもある。
プロパンガスはやめておこう
プロパンガスは高い。夏場にほぼ毎日シャワーを浴びていたらガス代が恐ろしいことになった。なので物件を選ぶときには都市ガスか、オール電化が望ましい。
同じ条件の物件で5千円以上安くないと光熱費で相殺されてしまう。
ロフトは避けよう
最初に住んだ物件はロフトだったが
- はしごを置くスペースが無駄
- 暖房は上のほうが温まり、下の室内で過ごす場合、暖房が効かない。
- 逆に冷房はロフトでは効きにくい。
- 天井が高いため、照明の交換に脚立が必要となり、管理会社に依頼しなければならない。
とあまり良くなかった。
ロフト部屋の経験者で良かった、という人はいるのだろうか?
ワンルームは避けよう
理由は冷蔵庫の稼働音が寝てるときでも鳴るため。
冷蔵庫と寝床の間に仕切りが欲しい。
最低でも1Kを選ぼう。
私が大学生の頃はコンテンツ自体、CDやレーザーディスク、紙などの物理的なものであったのと、AV再生の機器がコンパクトではなかった(テレビがブラウン管の時代である)、ということで広さが必要であったが、ストリーミングや電子書籍などで楽しめる現代ではさほど広さは要らないかと思う。
整体と春日野部屋の暴行事件
※2018/01/30追記
下記記事によると
ということらしい。
追記終わり。
春日野部屋の元力士が兄弟子から暴行を受け、整体施術によりさらに悪化し、後遺症が残った事件です。
日本相撲協会の隠蔽体質や暴行に関しては各種報道や他の方の記事を読んでいただきたい。
整体施術に関しては医師によるブログ記事(下記リンク)も書かれているが、より近い立場(鍼灸マッサージ師)から解説していこうと思う。
結論を先に書けば、整体などの無免許業者を他人に紹介すると訴訟に巻き込まれるリスクがあるので、国家資格を確認してから紹介したほうが良いよ、ということです。
前提知識
まず、私の記事が初めての方に前提の知識を説明する。
すでに知識がある方は「今回の事件」から読んで下さい。
法律(整体師は本来、違法な職業である)
独立判断で治療行為をできるのは医師、歯科医師、はり師、きゅう師(はり師、きゅう師をあわせて鍼灸師と俗称される。同一人物が両方の免許を持っていることがほとんど。)、あん摩マツサージ指圧師、柔道整復師のみであり、妊産婦に対しては助産師も行える。
これらの者以外による独立判断での治療行為は医師法第17条およびあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下、あはき法)第12条により禁止されている。
医師法第17条(無免許医業の禁止)
医師でなければ、医業をなしてはならない。
あはき法第12条(医業類似行為の禁止)
何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。
この医業類似行為というのは
疾病の治療又は保健の目的でする行為であって医師・歯科医師・あんま師(※筆者注:現在のあん摩マツサージ指圧師)・はり師・きゅう師又は柔道整復師等他の法令で正式にその資格を認められた者がその業務としてする行為でないもの
と判例で示されており、簡単に言えば法律で定められた免許の範囲外で行う治療や保健目的の施術行為(無免許施術)である。
つまり法的な免許制度のない整体やカイロプラクティックなどがあはき法第12条で禁止されている医業類似行為である。
最高裁の判例
さて、あはき法第12条で禁止される医業類似行為の例として整体やカイロプラクティックを挙げた。
それだと町中にある整体やカイロプラクティックの店は何なのだ?という疑問が出てくるだろう。
これは昭和35年にあはき法第12条違反に関し、最高裁で
法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならない
と判示されたため、医業類似行為の禁止処罰には人の健康に害を及ぼすおそれを立証する必要が出てきたからである。*1
なので整体師やカイロプラクターは「人の健康に害を及ぼすおそれが無い」という建前で営業している。
そして整体師やカイロプラクターを名乗るのには何の資格も不要である。だから無免許業者と私は表現している。
あなたが整体師、カイロプラクターと名乗るは自由だし、売上が一定額以内であれば税務署への届出も不要である。
無免許施術(医業類似行為)による健康被害
さて、人の健康に害を及ぼすおそれが無い、という建前で営業している整体師などの無免許業者であるが、無免許施術による健康被害が国民生活センターによって2012年に明らかにされる。
手技による医業類似行為の危害−整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も−(発表情報)_国民生活センター
そして無免許施術により子供が殺される事件も発生する。*2
また平成29年5月には消費者庁からも無免許施術による健康被害の報告書が出される。
法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に[PDF]
消費者庁には、「整体」、「カイロプラクティック」、「リラクゼーションマッサージ」などの法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術で発生した事故の情報が、1,483 件寄せられています(平成21年9月1日から平成29年3月末までの登録分)。そのうち、治療期間が1か月以上となる神経・脊髄の損傷等の事故が 240 件と全体の約 16%を占めています。
今回の事件
事実関係
朝日新聞によると
訴状によると事件が起きたのは14年9月で、殴打されてあごを骨折するなどし、治療に1年6カ月かかったと主張。さらに「味覚消失」などの後遺症が残ったと訴えている。
暴行した先輩力士に加え、春日野親方は「(被害者を)病院ではなく整体院に連れて行き、適切な治療を受けさせようとしなかった」として、安全配慮義務に違反したと主張。2人に後遺症による逸失利益と慰謝料などを合わせ、3千万円の損害賠償を求めている。
これに対し、先輩力士は暴行したことは認めているが、その内容や後遺症の程度について争う姿勢を見せている。春日野親方は事件直後に被害者の父親に謝罪した上、「けがは快方したように見えた。被害者はいつでも自由に通院できるようにしていた」と主張。師匠として事件の発生を予見することはできなかったとして、請求棄却を求めている。
※強調は筆者による。
また1月26日放送のミヤネ屋によると被害者側の主張は
まずこちらは矢作さんの主張なんですが、矢作さんの主張によりますと、春日野親方は病院に連れて行かず、相撲診療所に行かせたと。
その相撲診療所であごの骨折の可能性があるというふうに言われたんですが、この相撲診療所にはレントゲン撮影の設備がなかったので、設備のある別の病院を紹介されて、けがを負って春日野親方は、ただ連れて行こうとしなかったということなんですね。
さらに春日野親方は世間への発覚を恐れて、知り合いの整体師を紹介して、そこで無理な施術によって症状がさらに悪化してしまったという、矢作さんの主張です。
一方、春日野親方の主張は
一方、春日野親方は、レントゲン撮影も可能だったはずだが、撮影はせず、気になるようならと大きな病院の紹介状をもらったんだと。
知り合いの整体師による施術は世間への発覚を恐れてということではないという主張です。
被害者には相撲診療所で受診してもらったのち、兄弟子に付き添わせ、整体師の施術を受けさせた。
快方に向かったと思われたが、その後、入院をしたということだと。
ということです。
文字起こしは下記リンク。
ミヤネ屋【春日野部屋傷害事件…理事選への影響は?▽ビットコインとは?ほか】[字] 2018.01.26 – Mediacrit
双方の主張から確実に言えることは
- 兄弟子による暴行があった。
- 日本相撲協会の診療所で受診した。
- 診療所に首から上を撮影できる装置が無かったのでレントゲン撮影は行われなかった。(2018/01/30編集)
- 診療所の医師は別の病院を紹介(提示)したか、紹介状を書いた。
- 兄弟子がその紹介状を取り上げた(2018/01/30編集)
- 親方の紹介した整体院で施術を受けた。
なぜレントゲン撮影をしなかったか
日本相撲協会の診療所のスタッフ数は下記のリンクに書かれている。
整形外科の専門医が常勤でいる模様である。
放射線を扱う機器が無いところで放射線技師を雇用するメリットは無いと思われるのでレントゲン撮影装置はあると思われる。
ではなぜ撮影しなかったかと言えば受診時に放射線技師が不在だった可能性がある。
ただし、医師がレントゲン撮影の必要性を認めなかった可能性も否定できず、その場合には整体施術が決定的なダメージとなるだろう。
また放射線技師の不在が理由なら後日の受診を促すことも可能なわけです。
被害者の主張を信じるなら、診療所では手に負えない骨折なので病院に行ってちょうだい。撮影もそっちでしてもらったほうが良いでしょ。という感じか。
どちらにせよ、診療所の医師が整体あるいは接骨院による施術に関し、指示や同意をしたとは言えないようである。
骨折部位に対する施術と接骨院
あん摩マツサージ指圧師と柔道整復師は法律により、骨折部位に対する施術は医師の同意を得なければならない。
あはき法第5条
あん摩マツサージ指圧師は、医師の同意を得た場合の外、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。
柔道整復師法第17条
柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。
柔道整復師法では応急手当の免責が書いてある。
本来、柔道整復師は捻挫・打撲・脱臼・骨折に対する施術を行う免許であるため、医師への受診・搬送まで放置できない場合に応急手当を行うことには合理性がある。
実は今回の施術を行った整体院が接骨院・整骨院(柔道整復師の施術所)か否か、確たる証拠がない。
柔道整復師がその免許で認められているのは捻挫・打撲などの急性外傷に対する施術であり、疲労回復や慢性疾患に対する手技療法などは認められていない。
そして、健康保険の審査が厳しくなり、生き残りを図るために「整体師」として営業している柔道整復師も多い(「自費施術」と称している場合も多い)。
もっとも柔道整復師はその教育課程で柔道整復師法について習っており、医師が施術に同意しておらず、数日経過した骨折部位に応急手当をするとは考えにくい。あん摩マツサージ指圧師も同様である。
またマスコミも訴状を読んで「整体院」と表現していることから接骨院ではないと判断する。
整体院を紹介した春日野親方の責任
今回の裁判では暴行した兄弟子に対する春日野親方の監督責任も問題なのだろうが、そこは専門外なので私は言及しない。
私が注目しているのは被害者に整体院を紹介した責任である。
まず接骨院や鍼灸マッサージ師の施術所に紹介して、施術によって症状が悪化した場合を考えてみよう。
これらの国家資格者が一定の知識・技能が国家により確認されている者だから施術による健康被害に関しては施術者の責任である。
仮に間違った判断で国家資格者の施術を受けるように指示した場合でも、国家資格者が施術の可否や病院への受診を薦めるか、判断する責任がある。
よって、紹介した者は施術による健康被害に関し、なんら責任を負わない。
これが整体師などの無免許業者だとどうなるか。
整体師は法律上、素人であるから施術の可否や病院受診を薦めるなどの判断を期待する方が間違いである。
もっとも素人である整体師がそのような判断が必要な施術を行うこと自体、違法行為であるが。*4
ただし、おおっぴらに営業して、あたかも身体の専門家のように装っている整体師などを素人と判断するのは一般の人には難しいところである。
なので
- 紹介者が免許制度を知っているか、知っていて然るべき立場であること。
- 紹介した整体師が無免許であることを知っていること。
この2点を証明しないと整体師を紹介した者の責任を問うことは難しい。
私は以前、病院側で医療訴訟を手がける弁護士に対し、ケアマネが整体師(無免許)を利用者に紹介し、その施術で健康被害が発生した場合、ケアマネは賠償責任を負うか?と聞いたことがある。
その可能性は否定できないとの回答であった。
なお、ケアマネの基礎資格としてあん摩マツサージ指圧師や柔道整復師がある。
なのでケアマネが免許制度について実際に知っていようがいまいが、免許制度について知っているべき立場とみなされよう。
相撲部屋の親方にその知識があること又は知識があるべき立場を求めるのは難しいとも思える。
ただし、スポーツに関わる鍼灸マッサージ師や柔道整復師も多い。
なので全く無知である、とも言い難い。
もっとも今回は骨折が疑われる状況で、病院・診療所以外(免許の有無に関わらず)を紹介した事自体が過失である、という判断がされてもおかしくはない。
紹介された施術所が国家資格者のところであれば前述のように、国家資格者の責任を述べて、請求の棄却を求めれば良い。
無免許施術と賠償責任保険
今回の訴訟、整体院が被告になっているのか否か、あるいは整体院との間で示談がされているのかどうか不明である。
ただし、無免許施術(整体)による健康被害に対し、賠償責任保険は支払われない。
そのような名目で売られている賠償責任保険もあるが、違法行為を助長する保険商品の販売は保険業法で禁止されている。
判例で禁止処罰対象にしない無免許施術は「人の健康に害を及ぼすおそれの無い行為」であり、そのような行為では健康被害は発生しないだろう。
健康被害が発生する行為というのはまさに「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」であり、違法施術である。
実際、消費者庁事故情報データバンクには
事故情報詳細(リラクゼーションマッサージ, マッサージ… 事故情報ID:0000269049)_事故情報データバンクシステム
マッサージ店で施術を受け首の頸椎を痛めた。損害保険会社が調査した結果、保険対象外だったが、店が理由を教えてくれない。
事故情報詳細(カイロプラクティック 事故情報ID:0000241980)_事故情報データバンクシステム
テレビ宣伝のカイロプラクティックに肩こりでかかったら直後から肩から右腕に痛み。保険請求書記載の誤りを訂正してほしい。
というように、保険対象外、または保険請求に虚偽の内容が見受けられる。
そして無免許業者に財産が無い場合、仮に損害賠償を求める裁判で勝っても判決文は紙切れ同然である。
なので財産がある関係者を訴えなければ意味がない。
ホテルのテナントの無免許マッサージ業者により、四肢麻痺になった被害者が、ホテルも訴えたのはその典型だろう。
国家資格者の場合、仮に施術での健康被害が生じても、賠償責任保険で対応できる。
また施術の可否などの判断が国家資格者の責任であることは前述のとおりである。
紹介者が裁判に巻き込まれるリスクは、国家資格者と無免許業者ではこのような違いがある。
*1:なお、医師法第17条違反に関してはすでに「医師が行うのでなければ保健衛生上害を及ぼすおそれのある行為」が医行為の定義であり、この最高裁判決の前は危険性が立証されれば医師法第17条違反、危険性を立証せず、無免許での治療行為等を行ったことのみを立証した場合にはあはき法第12条違反で罪を決めれば良かった。
この判決で医師法第17条違反とあはき法第12条違反の立証に関しては差が無くなってしまい、危険性を立証できる場合のみに起訴できるので医師法第17条違反のみ問われ、あはき法第12条違反で立件されることは無くなった。
*3:数え方から常勤と思われる。
*4:富士見産婦人科病院事件の保助看法違反事件では、医師が無資格者に行わせることができる行為は、「患者に危害の及ぶことがなく、かつ、判断作用を加える余地に乏しい機械的な作業を行わせる程度にとどめられるべき」とされている。東京高裁昭和63(う)746
日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターは海外の文献を効果の根拠とすることはできない。
あけましておめでとうございます。
新年の抱負として資格所得を目指す人も多いかと思いますが、整体師、カイロプラクター、リラクゼーションといった脱法業務の資格商法にだまされないように気をつけてください。
医師、歯科医師以外に合法的に独立判断で施術できる資格はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師のみです。
さて、資格商法業者による広告の報告がありました。
整体師養成セミナーのチラシが新聞折り込みに入っていました。海外では国家資格とあるが、日本では1日で取る民間資格を「(海外では)医療と同等」と書くのは誤解をさせる意図がある。日本では「風俗扱い」であり、日本には「按摩マッサージ指圧師」の免許(国家資格)がある。脱法・違法行為なのだ。 pic.twitter.com/gVV8yGGbin
— 奈良県橿原市 手技療院 おおたに (@syugi_otani) 2018年1月2日
海外でカイロプラクティックが医療と同等とみなされているかはともかく、国家資格としている国もあります。
ただ鍼灸と違い、WHOが適応症を認定している、ということはないようです。
禁忌症に関してはWHOガイドラインに記載しているようですが。
http://www.jac-chiro.org/pdf/guidelines/chirosafety.pdf
の8,9頁目あたり。
さて、カイロプラクターなどの無免許業者は医療法・あはき法による広告制限は受けませんが、景品表示法などの消費者保護の規制は受けます。
過去には小顔矯正の広告をしていた整体師などが景品表示法による処分を受けています。
日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターが広告している適応症に根拠は有るのでしょうか?
鍼灸と同様に、カイロも海外の論文・文献も有るわけですが、日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターはこれらを効果の根拠とすることはできません。
なぜなら海外のカイロプラクティックの文献は国家資格制度のある国で、ちゃんと国家資格を取ったカイロプラクターによる施術だからです。
WHOの基準では正規のカイロプラクターは4年以上の教育を必要とします。
それと一日から数週間程度の講習を受けた(誰でも名乗れる)カイロプラクターが同一の質である訳が無いのです。
なので日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターが、WHOにカイロプラクティックが認められている事自体を表示すること自体、優良誤認表示と言わざるをえないわけです。
なので海外のカイロプラクターの文献を根拠にはできず、自らで根拠を積み重ねていく必要があります。
整体も含め、無免許施術は定義が定まっておらず、他の人達はその施術の効果を検証してはくれませんから。
その点、国家資格になっている施術の場合、免許を持った人達が行った施術に関する文献を根拠にできるわけです。
一定レベルの知識と技術が国家によって確認された者同士ですから。
それは海外の正規の鍼灸師が行った施術に関する文献も同様です。
消費者の権利を保護する時代の流れで、根拠のない効果の広告に対し、行政は厳しく対応すると思われます。
今までは国家資格者に対し、厳しい広告制限があり、一方で無免許業者の広告は野放しでした。
このことはすでに行政によっても問題視されており、国家資格者の広告規制の緩和が検討されております。
というわけで今後、整体師やカイロプラクターなどの無免許業者による適応症の広告は厳しくなることが予想されます。
カイロでちゃんと適応症を広告したかったら(医師法やあはき法に違反するかどうかはともかく)国家資格制度のある国で、ちゃんと国家資格を取ってこないと優良誤認や誇大広告になる可能性が有るわけです。
一企業の都合のみを配慮するNHKに公共放送としての正当性や存在意義はあるのか?
明日(2017年12月6日)、NHKとの受信契約を強制する放送法第64条の憲法判断が最高裁大法廷で下される。
25日の弁論でNHK側は、受信料制度の必要性を強調した。ドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」を例に挙げ、「不偏不党を貫き、視聴率にとらわれない豊かで良い番組を放送するためには、安定財源を確保する手段としての受信料制度が不可欠」と述べた。
私自身は一人暮らしのときもNHKの受信料を払っていた。それが法的には当たり前なのだが、わざわざ払っていたのはなぜか。
http://www.geocities.co.jp/MotorCity/9257/100_topic3.html
7代目カローラが開発中のころ、NHKスペシャルという番組で国産車の国内仕様と輸出仕様の安全性の格差を 告発する衝撃的な番組が放送された。番組ではアメリカ仕様と日本仕様の5代目カローラが一台ずつ用意された。 その二台を比較すると輸出仕様の方が何故か重いのである。 両者のドアを電動グラインダーで切断して内部を開き観察すると、 輸出仕様車には側面衝突に対して効果を発揮するサイドインパクトバーがついているのである。 トヨタに限らず、国産車メーカーでは安全装備を取り付け可能なように設計しているのにも関わらず、 国内向けにはそれを取り付けないという行為が行われていたのだ。 この番組が放送されるやいなや、国産自動車メーカーはバッシングを受けることとなった。
この番組は昭和62年か63年かだったと思う。
私が中学生の頃だ。
母曰く、「民放でこんな放送はできない」
スポンサー様である自動車メーカーに不都合なことを放送できまい。
そんなわけで政治的なことややらせ問題はともかく、経済的な事柄に関しては企業よりも国民・消費者を優先してくれるだろう、という幻想を抱くことになった。
で、その幻想をぶち壊されたのがこの間のドキュメント72時間である。
初めてこの記事を読まれる方はリンクした記事も読んでいただければと思いますが、無免許マッサージ業者(少なくとも利用者はマッサージと認識している)を真っ当な業務のように放送するなと。
で、この放送内容を国家資格であるあん摩マッサージ指圧師の免許を持った方々は問題視し、NHKに抗議などがされ、NHKはテロップをだすことにしたのですが、こんな感じ。
※この施設のサービスは
国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師による
治療行為ではありません
どうもNHKは免許の必要なマッサージが治療行為には限られない、ということを理解できなかった模様である。
免許の必要なマッサージが治療行為に限定されるものではない、というのは前掲の記事に書いたとおり、厚生省の通知や裁判例で示されている。
まだ利用者が「マッサージ」と述べているのをカットし、「マッサージ」ではない手技という体裁を取っているのであればマシだったのだが。
ドキュメント72時間のサイトにはなんら釈明もなし。
まあ、国家資格者の意見だけではバランスを欠く、というのを否定はしないが、それならちゃんと両論併記すべきであろう。
一企業の都合の良い放送をするなら強制的に受信料を取り立てる大義名分など無いではないか。
まだスポンサーの存在がわかる民放なり、偏向前提の赤旗新聞のほうがマシである。