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ずんずん運動の民事裁判から見える、遺族の思い

医業類似行為 医師法 医療情報 整体 消費者問題

ずんずん運動の大阪事件の被害者遺族が、NPO法人(解散済み)の理事長と副理事長に対し、5200万円の損害賠償を請求した裁判の判決がありました。

 

www.kobe-np.co.jp

事件が起きたのが大阪なので刑事裁判は大阪地裁で、遺族は神戸在住なので民事裁判は神戸地裁なわけです。

 訴訟では元理事長が責任を認める一方、施術担当でない元副理事長は「危険性を認識できなかった」と主張。山口裁判長は判決で、13年2月にも元理事長による同様の死亡事故があったことなどから、危険性を予見できたと認定した。

これだけだとわかりにくいので時事通信の記事から引用しましょう。

www.jiji.com

 元副理事長も13年の同様の死亡事故後、危険性を確認しないまま施術をブログで広報するなど、ほう助した責任があると判断した。 

 ブログによる広報で、幇助の責任を問われたわけですね。

この副理事長、刑事では書類送検はされていますが、不起訴処分となっております。

 

ここで時系列を。

下記のブログ記事は報道時に書いてある記事へのリンクとなっており、時系列の把握に有用かと思います。

blogs.yahoo.co.jp


2013年2月17日 新潟で死亡事故
同年11月 新潟県警新潟地検書類送検。嫌疑不十分で不起訴処分

 

2014年6月2日 大阪で死亡事故

NPO法人の理事の男性は取材に対し、昨年も代表の施術を受けた幼児が死亡したことを明らかにしたうえで、「亡くなったのは不幸なことだが、2件とも施術と死亡との因果関係はないと考えている。警察の捜査に協力したい」と話した。

http://www.asahi.com/articles/ASG9631WYG96PTIL003.html?iref=comtop_6_02

(強調筆者)

 

2015年3月4日 理事長逮捕
理事長、副理事長書類送検

同年3月25日 大阪で理事長を起訴(業務上過失致死傷罪)
同年6月9日 初公判。理事長が施術と死亡の因果関係を認める。
同時期、新潟検察審査会は起訴相当と議決

同年7月14日 論告求刑公判

「おわびと償いの人生歩みたい」…乳児施術死、禁錮1年を求刑 「ズンズン運動」元理事長に - 産経WEST

 

弁護士は賠償を理由に執行猶予を求めている。*1

同年8月4日 大阪判決 禁錮1年執行猶予3年の有罪判決

www.sankei.com

男児の父親(46)は判決後、「軽すぎる判決で納得できない。息子に申し訳ない。今後、乳児向け施術行為に対する規制強化を国に求めたい」と話した。

 

同日 新潟地検が理事長を逮捕。

同年9月 大阪事件の遺族が神戸地裁に損害賠償請求の提訴

同年10月26日 新潟初公判
11月19日 新潟判決

www.sankei.com

執行猶予を付けた理由として「自ら罪を認め、弁済もしている」ことを挙げた。

そして、今回の民事訴訟の判決になるわけです。

民事訴訟の裁判期間は1年3ヶ月です。

神戸のご遺族は自責の念が強かったようです。

blogs.yahoo.co.jp

孫引用で。

一昨年の2月にも姫川容疑者の施術で赤ちゃんが亡くなったそうです。そのことを公表してくれていれば、息子をサロンに連れていくことは絶対にありませんでした。子どもの身体に危険が及ぶ行為をする姫川容疑者やサロンを信用してしまった自分達を責めない日はありません。

(略)

子育てサロン、ベビーサロンは赤ちゃんと親達が安心して過ごせる場所であり、安全なことのみが行われるものだと思っていました。ベビーマッサージ等の行為は無資格で広く行われていますが、私たち幼い子を持つ親にはそれが安全なものかどうかの判断がつきません。息子や私たちの苦しみを他のお子さんやご家族に味わわせたくありません。そのためには、姫川容疑者には真実を話してもらいたいと思います。また、ベビーサロンのような場所で同じことが二度と起きないよう、行政にも何らかの対応を検討していただきたいと思っております。

(下線部筆者)

 

この施術を受けさせるきっかけは副理事長が書いたブログ記事だったのでしょう。そこには死亡事故を起こしたことは書いて無く、信用してしまったわけです。

 

この自分たちにとって不都合な情報を隠蔽した広報活動への憤りなのでしょう。

 

この民事訴訟では神戸新聞の記事にある通り、元理事長は賠償責任を認めており、理事長だけを訴えれば短期に判決を得ることも可能である。

副理事長は刑事裁判にはかけられておらず(不起訴処分)、理事長だけを相手にするよりは訴訟戦術上、手間がかかることは予見できたはずである。

 

それでも敢えて副理事長も訴えた点に、ご遺族の思いを感じるのである。

 

WELQ問題でも誤った医療情報の危険性は指摘されたところであるが、このように素人を騙し、危険にさらす連中を放置してはならない。

 

整体師やカイロプラクター、リラグゼーションといった無免許業者さんや擁護される皆さん、この遺族の思いをどう考えますか?

*1:ここはよくわからない。差額を求めて民事訴訟を起こされたのか?