一企業の都合のみを配慮するNHKに公共放送としての正当性や存在意義はあるのか?
明日(2017年12月6日)、NHKとの受信契約を強制する放送法第64条の憲法判断が最高裁大法廷で下される。
25日の弁論でNHK側は、受信料制度の必要性を強調した。ドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」を例に挙げ、「不偏不党を貫き、視聴率にとらわれない豊かで良い番組を放送するためには、安定財源を確保する手段としての受信料制度が不可欠」と述べた。
私自身は一人暮らしのときもNHKの受信料を払っていた。それが法的には当たり前なのだが、わざわざ払っていたのはなぜか。
http://www.geocities.co.jp/MotorCity/9257/100_topic3.html
7代目カローラが開発中のころ、NHKスペシャルという番組で国産車の国内仕様と輸出仕様の安全性の格差を 告発する衝撃的な番組が放送された。番組ではアメリカ仕様と日本仕様の5代目カローラが一台ずつ用意された。 その二台を比較すると輸出仕様の方が何故か重いのである。 両者のドアを電動グラインダーで切断して内部を開き観察すると、 輸出仕様車には側面衝突に対して効果を発揮するサイドインパクトバーがついているのである。 トヨタに限らず、国産車メーカーでは安全装備を取り付け可能なように設計しているのにも関わらず、 国内向けにはそれを取り付けないという行為が行われていたのだ。 この番組が放送されるやいなや、国産自動車メーカーはバッシングを受けることとなった。
この番組は昭和62年か63年かだったと思う。
私が中学生の頃だ。
母曰く、「民放でこんな放送はできない」
スポンサー様である自動車メーカーに不都合なことを放送できまい。
そんなわけで政治的なことややらせ問題はともかく、経済的な事柄に関しては企業よりも国民・消費者を優先してくれるだろう、という幻想を抱くことになった。
で、その幻想をぶち壊されたのがこの間のドキュメント72時間である。
初めてこの記事を読まれる方はリンクした記事も読んでいただければと思いますが、無免許マッサージ業者(少なくとも利用者はマッサージと認識している)を真っ当な業務のように放送するなと。
で、この放送内容を国家資格であるあん摩マッサージ指圧師の免許を持った方々は問題視し、NHKに抗議などがされ、NHKはテロップをだすことにしたのですが、こんな感じ。
※この施設のサービスは
国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師による
治療行為ではありません
どうもNHKは免許の必要なマッサージが治療行為には限られない、ということを理解できなかった模様である。
免許の必要なマッサージが治療行為に限定されるものではない、というのは前掲の記事に書いたとおり、厚生省の通知や裁判例で示されている。
まだ利用者が「マッサージ」と述べているのをカットし、「マッサージ」ではない手技という体裁を取っているのであればマシだったのだが。
ドキュメント72時間のサイトにはなんら釈明もなし。
まあ、国家資格者の意見だけではバランスを欠く、というのを否定はしないが、それならちゃんと両論併記すべきであろう。
一企業の都合の良い放送をするなら強制的に受信料を取り立てる大義名分など無いではないか。
まだスポンサーの存在がわかる民放なり、偏向前提の赤旗新聞のほうがマシである。