日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターは海外の文献を効果の根拠とすることはできない。

あけましておめでとうございます。

新年の抱負として資格所得を目指す人も多いかと思いますが、整体師、カイロプラクター、リラクゼーションといった脱法業務の資格商法にだまされないように気をつけてください。

 

医師、歯科医師以外に合法的に独立判断で施術できる資格はあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師のみです。

togetter.com

 

さて、資格商法業者による広告の報告がありました。

 

海外でカイロプラクティックが医療と同等とみなされているかはともかく、国家資格としている国もあります。

ただ鍼灸と違い、WHOが適応症を認定している、ということはないようです。

禁忌症に関してはWHOガイドラインに記載しているようですが。

http://www.jac-chiro.org/pdf/guidelines/chirosafety.pdf

の8,9頁目あたり。

 

さて、カイロプラクターなどの無免許業者は医療法・あはき法による広告制限は受けませんが、景品表示法などの消費者保護の規制は受けます。

過去には小顔矯正の広告をしていた整体師などが景品表示法による処分を受けています。

www.nikkei.com

 

日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターが広告している適応症に根拠は有るのでしょうか?

 

鍼灸と同様に、カイロも海外の論文・文献も有るわけですが、日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターはこれらを効果の根拠とすることはできません。

 

なぜなら海外のカイロプラクティックの文献は国家資格制度のある国で、ちゃんと国家資格を取ったカイロプラクターによる施術だからです。

 

WHOの基準では正規のカイロプラクターは4年以上の教育を必要とします。

それと一日から数週間程度の講習を受けた(誰でも名乗れる)カイロプラクターが同一の質である訳が無いのです。

 

なので日本の(誰でも名乗れる)カイロプラクターが、WHOにカイロプラクティックが認められている事自体を表示すること自体、優良誤認表示と言わざるをえないわけです。

 

なので海外のカイロプラクターの文献を根拠にはできず、自らで根拠を積み重ねていく必要があります。

整体も含め、無免許施術は定義が定まっておらず、他の人達はその施術の効果を検証してはくれませんから。

 

その点、国家資格になっている施術の場合、免許を持った人達が行った施術に関する文献を根拠にできるわけです。

一定レベルの知識と技術が国家によって確認された者同士ですから。

それは海外の正規の鍼灸師が行った施術に関する文献も同様です。

 

消費者の権利を保護する時代の流れで、根拠のない効果の広告に対し、行政は厳しく対応すると思われます。

 

今までは国家資格者に対し、厳しい広告制限があり、一方で無免許業者の広告は野放しでした。

このことはすでに行政によっても問題視されており、国家資格者の広告規制の緩和が検討されております。

 

というわけで今後、整体師やカイロプラクターなどの無免許業者による適応症の広告は厳しくなることが予想されます。

 

カイロでちゃんと適応症を広告したかったら(医師法やあはき法に違反するかどうかはともかく)国家資格制度のある国で、ちゃんと国家資格を取ってこないと優良誤認や誇大広告になる可能性が有るわけです。