HIKAKIN(ヒカキン)氏が違法な整体業者を動画で紹介している。

有名なYouTuber、HIKAKIN氏がエセ医学を紹介しているというツイートがTLに流れてくる。

 

HIKAKIN氏がボキボキ整体を紹介しているのは以下の動画である。

www.youtube.com

本件動画では6つの施術所(店)を紹介しているが、本記事では最初のボキボキ整体こと、COCOLO Ginza(施術者 萩原 正規)の施術の違法性(医師法違反など)について検証する。

本文中、断りのないスクリーンショットは本件動画のものである。

整体などの法規制

私のブログを初めて見る方のため、整体やマッサージについての法制度を説明する。

医師以外に独立判断で症状等の治療や身体の矯正を行える国家資格は歯科医師(歯科・口腔疾患)、助産師(妊産婦、新生児)、柔道整復師(急性外傷)、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師のみである。

はり師、きゅう師をあわせて鍼灸師あん摩マッサージ指圧師の免許も持つ鍼灸師又は3つの免許を合わせて鍼灸マッサージ師と呼んだりする。

鍼灸マッサージ師は施術対象者や対象疾患を限定されていない点で、医師以外の他の独立判断施術が可能な国家資格とは異なる。

このブログの作成者は鍼灸マッサージ師である。

 

看護師等は医師の指示の下で医行為を業として行える。

理学療法士などは看護師の業務の一部を行えるというのが法律の規定である。*1

医業類似行為(無免許治療業務)の禁止

そして、医療国家資格を持たない者による治療業務(医業類似行為)は本来、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法)第12条で禁止されている。

第十二条 何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。

 

第一条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

そして第12条で業として行うことを禁止されている医業類似行為ですが裁判例では

医業類似行為とは

『疾病の治療又は保健の目的を以て光熱器械、器具その他の物を使用し若しくは応用し又は四肢若しくは精神作用を利用して施術する行為であって他の法令において認められた資格を有する者が、その範囲内でなす診療又は施術でないもの、』

換言すれば

疾病の治療又は保健の目的でする行為であつて医師、歯科医師、あん摩師、はり師、きゅう師又は柔道整復師等他の法令で正式にその資格を認められた者が、その業務としてする行為でないもの

(仙台高裁 昭和 29 年 6 月 29 日判決 昭 28(う)第 275 号) 

とされています。

つまりなんの法的な医療免許を持たずに、業として疾病の治療又は保健の目的でする行為をしてはならない、ということです。

医業類似行為の定義を「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」に限定した最高裁判決

しかし最高裁昭和35年、医業類似行為の定義を「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」に限定する判決を出します。業界ではこの判決を昭和35年判決などと呼んでいます。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51354

これまで無免許治療を業として行っただけで処罰可能だったのが、人の健康に害を及ぼすおそれの証明が必要となりました。

整体師やカイロプラクターとして営業するのになんの免許も必要ない。

そんなわけで、人の健康に害を及ぼすおそれが無い、という建前のもと、無免許治療は放任されることになります。

そのため、整体師やカイロプラクターと名乗って営業するのに、なんの免許も必要ありません。

ただし、整体やカイロプラクティックによる健康被害国民生活センター消費者庁によりまとめて報告されています。

手技による医業類似行為の危害−整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も−(発表情報)_国民生活センター

消費者庁:法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術は慎重に[PDF]

無免許治療で子供が犠牲になる事件も発生しております。

www.j-cast.com

www.news-postseven.com

頚椎スラスト(首ボキボキ)の禁止

やさひふ先生が言及しているように、首ボキボキ(頚椎スラスト)に関し、旧厚生省は禁止する通知を出している。

2 いわゆるカイロプラクティック療法に対する取扱いについて

近時、カイロプラクティックと称して多様な療法を行う者が増加してきているが、カイロプラクティック療法については、従来よりその有効性や危険性が明らかでなかったため、当省に「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」のための研究会を設けて検討を行ってきたところである。今般、同研究会より別添のとおり報告書がとりまとめられたが、同報告においては、カイロプラクティック療法の医学的効果についての科学的評価は未だ定まっておらず、今後とも検討が必要であるとの認識を示す一方で、同療法による事故を未然に防止するために必要な事項を指摘している。

こうした報告内容を踏まえ、今後のカイロプラクティック療法に対する取扱いについては、以下のとおりとする。

 

(1) 禁忌対象疾患の認識
カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患としては、一般には腫瘍性、出血性、感染性疾患、リュウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患等とされているが、このほか徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、例えば、椎間板ヘルニア後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症などと明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象とすることは適当ではないこと。

 

(2) 一部の危険な手技の禁止
カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。

 

(3) 適切な医療受療の遅延防止
長期間あるいは頻回のカイロプラクティック療法による施術によっても症状が増悪する場合はもとより、腰痛等の症状が軽減、消失しない場合には、滞在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関において精査を受けること。

 

(4) 誇大広告の規制
カイロプラクティック療法に関して行われている誇大広告、とりわけがんの治癒等医学的有効性をうたった広告については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十二条の二第二項において準用する第七条第一項又は医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第六十九条第一項に基づく規制の対象となるものであること。

医業類似行為に対する取扱いについて|厚生労働省

 

人の健康に害を及ぼすおそれの基準

人の健康に害を及ぼすおそれの基準であるが、無資格者に診療補助行為をさせたとして、保健師助産師看護師法違反に問われた事件では

医師が無資格者を助手として使える診療の範囲は、おのずから狭く限定されざるをえず、いわば医師の手足としてその監督監視の下に、医師の目が現実に届く限度の場所で、患者に危害の及ぶことがなく、かつ、判断作用を加える余地に乏しい機械的な作業を行わせる程度にとどめられるべきものと解される。

東京高裁平成元年2月23日判決 昭63(う)746

と判示されている。

医師の指示のもとでも行えない行為を、無資格者が独立して行える理由はない。

そんなわけで、整体師やカイロプラクターは身体状況の判断(診察、診断)を伴う治療行為はできない。問診も不可能である。

 

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https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51069

医行為の定義と保健衛生上の危険性の分類

身体の矯正は医療の目的とされる

無免許医業は医師法第17条で禁止されています。

第十七条 医師でなければ、医業をなしてはならない。

医業とは医行為を業として行うことです。

そして医行為ですが最高裁決定では

医行為とは,医療及び保健指導に属する行為のうち,医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいうと解するのが相当である。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89717

とされます。

美容なども医療及び保健指導に属する(医療関連性が有る)とされます。

 ところで,医療とは,現在の病気の治療と将来の病気の予防を基本的な目
的とするものではあるが,健康的ないし身体的な美しさに憧れ,美しくあり
たいという願いとか醜さに対する憂いといった,人々の情緒的な劣等感や不
満を解消することも消極的な医療の目的として認められるものというべきで
ある。美容整形外科手術等により,個人的,主観的な悩みを解消し,心身共
に健康で快適な社会生活を送りたいとの願望に医療が応えていくことは社会
的に有用であると考えられ,美容整形外科手術等も,このように消極的な意
義において,患者の身体上の改善,矯正を目的とし,医師が患者に対して医
学的な専門的知識に基づいて判断を下し,技術を施すものである。


 以上からすると,美容整形外科手術等は,従来の学説がいう広義の医行為,
すなわち,「医療目的の下に行われる行為で,その目的に副うと認められる
もの」に含まれ,その上で,美容整形外科手術等に伴う保健衛生上の危険性
の程度からすれば,狭義の医行為にも該当するというべきである。したがっ
て,医業の内容である医行為について医療関連性の要件が必要であるとの解
釈をとっても,美容整形外科手術等は,医行為に該当するということができる。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=88686

保健衛生上の危険性の分類

保健衛生上の危険性は3つに分けられる。*2

  • 外科手術のように、その行為自体が直接に人体に危険を及ぼす行為(直接的危険)
  • 診察など、その行為が前提となって、次の人体に通常直接的に危険な行為をもたらす行為(間接的危険)
  • 診察・診断など、その行為によって適切な治療を受ける機会が奪われる行為(消極的危険)

 

 

前掲の「医行為と医事法」に論文を掲載された、小谷昌子神奈川大学准教授の投稿。

前掲の最高裁決定の以下の部分を持って、消極的危険の肯定とされる。*3

ある行為が医行為に当たるか否かを判断する際には,当該行為の方法や作用を検討する必要があるが,方法や作用が同じ行為でも,その目的,行為者と相手方との関係,当該行為が行われる際の具体的な状況等によって,医療及び保健指導に属する行為か否かや,保健衛生上危害を生ずるおそれがあるか否かが異なり得る

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/717/089717_hanrei.pdf

 

消極的危険を肯定した裁判例としてはホメオパシー療法の前提としての診察・診断を医行為と認めた判決が有る。

 

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https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=8591

「マッサージ」には免許が必要であり、区別ができないリラクゼーション業は日本で株式上場は不可能である。

前述のとおり、業としてマッサージを行うにはあん摩マッサージ指圧師の免許が必要である。しかし「マッサージ」ではないとしてリラクゼーションなどと称して施術している業者もいる。

ラクゼーション業者の大手、メディロムは東証上場を目指したが、違法性を払拭できないとして上場が認められず、米国で上場することとなった。

 

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紹介されたボキボキ整体、COCOLO Ginza

店長、施術者の萩原 正規氏の経歴・所持免許

店長、施術者の萩原 正規氏の経歴・所持免許であるが、ホットペーパーには「美容整体師」という肩書が書かれ、鍼灸専門学校に通学中であることが書いてある。

はぎわら まさき|ココロギンザ(COCOLO Ginza)|ホットペッパービューティー

ホットペーパービューティよりスクリーンショット

鍼灸専門学校に通っている、ということはまだ鍼灸師の免許は持っていない、ということである。

医療免許を有しているのか、ツイッターで聞いてみたが、このブログを投稿した時点で回答はない。

他のサイトでも萩原氏の事が書かれているが、法的な医療免許を所持しているとは書かれていない。

media.carecle.com

waccel.com

そんなわけで、萩原氏は現時点では法的な医療免許を受けていないと判断する。

2022/11/23追記

萩原氏から医療免許の有無についての回答はなく、ツイッターをブロックされました。

萩原氏の施術方法など

ウェブサイトは2箇所確認できる。

COCOLO Ginza lit.link(リットリンク)

もっぱらSNSへのリンクという感じである。

施術の流れとか、萩原氏の経歴がわからない。

 

もう一つは以下のサイトである。

drhagieara.amebaownd.com

 

メニューには

  • 小顔矯正
  • フェイスデザイン矯正
  • はぎわら式 全身骨格矯正
  • 産後骨盤矯正

といったものがある。

美容目的の矯正であっても医療関連性が有る(医療及び保健指導に属する)ことは前述のとおり。

また全身骨格矯正の説明では

顔以外の関節の矯正メインで行います。

ボキボキ音がする施術になります。

カイロプラクティックをメインの施術としております。

肩こり、腰痛、頭痛、痩せにくい体質、むくむ、倦怠感、歪みなどをお持ちで、

毎週のようにマッサージに行かれている方は、一度お越しくださいませ。

と、肩こり、腰痛、頭痛などの患者に施術を受けるように誘引しているわけで、医療関連性は否定できまい。

またその施術内容は「カイロプラクティックをメイン」としているわけである。

そして、萩原氏が自分のYoutubeチャンネルに上げている動画を見ると、脊椎(頚椎、胸椎、腰椎)矯正(マニピュレーション)が多い。

www.youtube.com

脊椎矯正の危険性・違法性(積極的危険)

脊椎マニピュレーションに危険性が有ることは、国民生活センターからも要望先として挙げられる、一般社団法人 日本カイロプラクターズ協会(JAC)も認めているところである。

カイロプラクティックの安全性に関するガイドライン[PDF]

JACの安全性ガイドライン15頁より。

医師であっても、カイロプラクティックの教育をちゃんと受けなければ安全性が担保されない、と書いている。この記述を根拠に、私は無免許での脊椎マニピュレーション(カイロプラクティック)を違法と指摘したら、JACから発信者情報開示請求を受けた。そして退けた。

 

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このとき、JACから出された発信者情報開示請求書は、自らカイロプラクティック療法の危険性を認めるものであった。

無断で転載・公開すると、このブログ全体の非公開処置を受けかねないので開示請求書を公開できないが、似たようなことはカイロプラクターらしき者がWikipediaに書いている。

 

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自らの施術方法が危険だと自白

以下は萩原氏のチャンネルにある動画である。

www.youtube.com

下記画像はこの動画のスクショである。

これ1番危ないからね マジで真似禁止

自ら真似禁止、と言ってるのである。

 

ズンズン運動の損害賠償の裁判でも、犯人(被告)がスタッフに禁止していたから危険性を認識できた、と認定されている。

 

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被告Dは,身体機能回復指導について,本件法人のスタッフや乳児の母親等に対し,
身体機能回復指導の施術は,被告Dにしか行えないものであると吹聴し,現に,被
告Dのみが身体機能回復指導を行い,身体機能回復指導を行うスタッフの養成も行
っていなかったこと等からすれば,被告D自身,本件施術当時,単に危険性を認識
し得たというにとどまらず,身体機能回復指導が乳児に危険をもたらすものである
ことを認識していたものと認められる。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86397

身体の状況や原因の判断(診察・診断 消極的危険)

前掲のホットペーパービューティのページより切り取りスクショ

ホットペーパービューティより。顔の左右差で、体の不調原因などが、根本的にわかります。お客様自身で、何が原因でその状態になっているのか、根本的な対処方法がわかるように、ご指導させていただいております。

「体の不調原因」を伝えるということである。

実際、ヒカキン氏の動画では肩こりの原因を股関節の歪みだと萩原氏は指摘している。

左のほうが張っている、という説明。本動画9:30

「肩こりとります!」と10分19秒頃には説明している。

肩こり取ります!との宣言 本動画10:19

一度、動画を戻るが、肩こりの原因を右の股関節の影響であると萩原氏は述べている。

右の股関節の影響と説明。本動画9:38

施術後には股関節が外に曲がっていた、と説明している。

股関節が外に曲がっていた、という説明。本動画14:50

もっとも動画の最初の方(4:13から)で、「歪み」をチェックして、右の股関節が外にズレている、という説明はしている。それで「循環器系と呼吸器系がちょっと弱いのかな?」と聞いている(4:46)。

循環器系と呼吸器系が弱いのかな? 4:46

後半を先に取り上げたのは、前半の方は施術目的が不明確で、医療関連性を有するか、わかりにくいからである。

症状(肩こり)の原因や身体の状況を判断、説明していることがわかるだろう。

厚生労働省のオンライン診療ガイドラインでは診断を以下のように定義づけている。

診断

 一般的に、「診察、検査等により得られた患者の様々な情報を、確立された医学的法則に当てはめ、患者の病状などについて判断する行為」であり、疾患の名称、原因、 現在の病状、今後の病状の予測、治療方針等について、主体的に判断を行い、これを伝達する行為は診断とされ、医行為となる。

https://www.mhlw.go.jp/content/000889114.pdf

 

こういう診察、診断を誤った場合、適切な治療を受ける機会を逸失するため、前述の消極的危険がある。

結論:ボキボキ整体は違法である。

  • 萩原氏は法的な医療免許を有していない。
  • 萩原氏の施術は医療関連性が有る(腰痛や肩こりなどの解消、美容目的の矯正)
  • 萩原氏の施術は積極的危険性が有る(頚椎スラスト、脊椎マニピュレーション、カイロプラクティック
  • 萩原氏は症状・不調の原因を判断し、利用者に告知している(診察・診断)ので、消極的危険がある。

以上より、萩原正規氏は業として医行為を行っており、医師法17条に違反する。

同様にあはき法12条にも違反する。

 

 

*1:理学療法士及び作業療法士法第15条 理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。

*2:「医行為と医業独占のあり方を考えるー医事法学の観点から」小谷昌子神奈川大学准教授 医行為と医事法59頁

*3:「医業」の意義 佐伯仁志中央大学教授 医事法判例百選第3版 4頁

整体やカイロプラクティックなどの無免許業界は、その施術業務が違法ではない旨の意見書を用意していないのか。

 

このブログで何度か取り上げているが、事前に行政に対し、違法性の有無を確認できるグレーゾーン解消制度というのがある。

 

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グレーゾーン解消制度による、AI契約レビューサービスの照会と業界大手他社の対応

この制度を利用し、AIによる契約審査サービスが弁護士法72条(弁護士以外による報酬目的での法律事務等の禁止)に違反しないかどうかの照会があり、違反する可能性もある、という回答だった。

 以上によれば、本件サービスは、弁護士法第72条本文に違反すると評価される可能性があると考えられる。

https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/press/220606_yoshiki.pdf

この回答の、AI契約レビュー業界や弁護士界隈におけるインパクトは大きかったようである。

業界大手の対応:プレスリリースと弁護士による意見書

AI契約レビューで有名らしい(私はこの業界に詳しくない)、LegalForce社は自社サービスが適法であるとプレスリリースを出す。

本回答は、グレーゾーン解消制度を用いて法務省に対してなされた照会に対する回答として公表され、今般照会した事業者のサービスに対してのみ判断がなされたものです。
こちらは弊社による照会ではなく、弊社の事業に対して影響を与えるものではありません。
なお、弊社サービスと弁護士法第72条の関係につきましては、従前より外部の専門家や弁護士との協議を踏まえ、適法に設計しております。

グレーゾーン解消制度を用いたAI契約審査サービスに関する法務省回答について - 株式会社LegalForce

さらにメールで、自社サービスが適法であるという、弁護士事務所による意見書を送付している。

他の弁護士による、意見書全文を画像で投稿したツイートも有ったが現在は削除済みのようである。

整体やカイロプラクティックの業務が医師法・あはき法に違反しないという、法学者・弁護士による意見書は存在するのか?

こんな具合に、自社サービスが違法と疑われる状況になった場合には、自社サービスが適法である旨を主張し、その根拠を示すのが通常であろう。

 

さて、整体やカイロプラクティックの施術業務、とりわけ問診や検査を伴う施術業務が医師法17条、あはき法12条に違反しないという、法学者・弁護士による意見書は存在するのだろうか?

私が日本カイロプラクターズ協会から発信者情報開示請求を受けたとき、そのような意見書を提示されていない。

 

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日本カイロプラクターズ協会は下記ページに「JACの要望書・意見書・見解」を載せている。

jac-chiro.org

とりわけ、「専門的職業であるカイロプラクターに関する意見書」で「カイロプラクティック専門の臨床が行える根拠」を記述している。

しかし、問診判例や、検査の裁判例(富士見産婦人科病院事件の保助看法違反事件。東京高裁昭昭和63(う)746 判例タイムズno.691 1989.5.15 p152)には言及していない。

 

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他の整体やカイロプラクティックの団体で、問診や検査の違法性に関して、法学者や弁護士による意見書を公開している事例があればご連絡願いたい。

保健師助産師看護師法第37条に書かれている「診療機械」とは何ぞや?カイロプラクティックのアクティベーター療法は医行為か?

「診療機械の使用」は医行為である。

医行為は「医療及び保健指導に属する行為のうち,医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為*1とされる。

下線部については保健師助産師看護師法第37条の条文そのままである。

第三十七条

 保健師助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、浣かん腸を施しその他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、この限りでない。

 

この条文は看護師が医師の指示なく、勝手に医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をするな、という内容である。

その例示として「診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をし」とあるわけである。

 

つまり「診療機械を使用」というのは医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為であり、医行為なのだ。

法令上、「診療機械」とは何ぞや?

それでe-GOV法令検索で「診療機械」を全文検索すると、保助看法以外には歯科衛生士法しか出てこない。

十三条の二

 歯科衛生士は、歯科診療の補助をなすに当つては、主治の歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、又は医薬品について指示をなし、その他歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をすることは、さしつかえない。

厚労省の通知を「診療機械」で検索してもヒットしない。

www.mhlw.go.jp

 

 

薬機法で定義されているのは「医療機器」であり、下記のように定義される。

第2条

4  この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。

というわけで、政令で定めていなければ医療機器には該当しない。

そして薬機法上は「機械器具」という単語はあるものの、「機械」のみでは記述していない。

 

さて、保助看法、歯科衛生士法で記述している「診療機械」とはなんぞや?

カイロプラクティックで使用されている診療機械?

カイロプラクティックにはアクティベーターというテクニックが有る。

下記のページで紹介されているような機械を使い、矯正するテクニックである。

activator-chiro.com

Youtubeなどで見てるともっぱら脊椎に当てて矯正しているようである。

 

またカイロプラクティックの流派には、第1頚椎のズレが症状の原因であるとして、下記の動画のように機械で首のズレを測定し、別の機械で力学的刺激を第1頚椎に加えて矯正している事業者もある。

youtu.be

これ、「診療機械」だよなぁ、と思うのは私だけですかね?

 

無免許治療をするなら、(治療)機械は使わないほうが無難というわけである。

 

ま、カイロプラクティック自体、人の健康に害を及ぼすおそれが無いとはとても言えないわけだが。

 

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*1:タトゥー事件最高裁決定

あはき法が守ろうとする公共の福祉。昭和35年判決と広告判決を比較して。

最近、月曜日のたわわの新聞広告に関し、企業の表現の自由が話題になっているようである。

 

 

そして営利広告に関する大法廷判決は、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(あはき法)第7条の広告規制に関するものだけであろう。

 論旨は、本件広告はきゆうの適応症を一般に知らしめようとしたものに過ぎない
のであつて、何ら公共の福祉に反するところはないから、同条がこのような広告ま
でも禁止する趣旨であるとすれば、同条は憲法一一条ないし一三条、一九条、二一
条に違反し無効であると主張する。

しかし本法があん摩、はり、きゆう等の業務又は施術所に関し前記のような制限を設け、いわゆる適応症の広告をも許さないゆえんのものは、もしこれを無制限に許容するときは、患者を吸引しようとするためややもすれば虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わす虞があり、その結果適時適切な医療を受ける機会を失わせるような結果を招来することをおそれたためであつて、このような弊害を未然に防止するため一定事項以外の広告を禁止することは、国民の保健衛生上の見地から、公共の福祉を維持するためやむをえない措置として是認されなければならない。

されば同条は憲法二一条に違反せず、同条違反の論旨は理由がない。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51353

 

適切な医療受診機会を逸失するのを未然に防止することが公共の福祉にかなう、としている。

さて、昭和35年判決を見てみよう。

 憲法二二条は、何人も、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由を有するこ
とを保障している。されば、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法一二条
が何人も同法一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならないと規
定し、同条に違反した者を同一四条が処罰するのは、これらの医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するものと認めたが故にほかならない。

ところで、医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するのは、かかる業務行為が人の健康に害を及ぼす虞があるからである。

それ故前記法律が医業類似行為を業とすることを禁止処罰するのも人の健康に害を及ぼす虞のある業務行為に限局する趣旨と解しなければならないのであつて、このような禁止処罰は公共の福祉上必要であるから前記法律一二条、一四条は憲法二二条に反するものではない。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51354

あはき法で業として医業類似行為を行うのを禁止しているのは、公共の福祉に反するからである。

公共の福祉に反する理由として人の健康に害を及ぼすおそれがあることを説明。

 

である。

あはき法制定時、医業類似行為を禁止するのは適切な治療機会の逸失という消極的な弊害を防ぐ旨、政府は回答している。

 

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そして広告判決では適切な医療受診機会を逸失するのを未然に防止することが公共の福祉にかなう、としているわけである。

 

昭和35年判決の、「これらの医業類似行為を業とすることが公共の福祉に反するものと認めたが故にほかならない。」を肯定したとしても、維持すべき公共の福祉として、消極的弊害の防止を無視することは広告判決と矛盾するわけである。

なお、広告判決では憲法21条(表現の自由)、昭和35年判決では憲法22条(職業選択の自由)が問題にされたわけだが、

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
 
第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

と、表現の自由に関しては条文上、公共の福祉による制限はない。

一方、職業選択の自由に関しては条文にも明確に公共の福祉による制約がある。

 

表現の自由に対する制約理由としての公共の福祉として、消極的弊害の防止が認められているのに、職業選択の自由を制限する公共の福祉として、消極的弊害の防止が認められないことがあろうかや。

はてな社に通報して、反マスク、反ワクチンのブログに注意喚起表示をさせる。

反マスク、反ワクチンを主張するブログに下記の注意喚起を表示させることに成功したので通報方法を掲載する。

本ブログには医療や健康、食の安全などについて、現在の標準的な医療情報とは異なる可能性の高い見解が記載されています。健康や人命に重篤な影響が出る恐れもありますので、十分に注意をして情報をご利用ください。
インターネット上の医療情報、健康情報を利用するにあたっては、インターネット上の医療情報の利用の手引き  が参考になります。ぜひご参照ください。

このメッセージは、はてなブログのガイドラインに基づき表示されています。

はてなブログガイドラインより。

危険性のある情報発信への対応


特に、健康、医療、食の安全や公衆衛生などの領域で、標準的な医療情報を否定するような見解や独自の見解が掲載されており、人身に危険が及ぶ可能性がある場合、読者に対する注意喚起と中立的な情報源や適切な相談窓口の案内をはてなにより挿入することがあります。挿入された情報をCSSなどで非表示にすることは禁止します。

はてなブログのガイドライン - はてなブログ ヘルプ

 

注意喚起表示がされた後に当該ブログ主、いけてるこうくう氏(以下、いけてる氏)が書いた記事。

flyfromrjgg.hatenablog.com

私はいけてる氏に関しては下記の記事を書いている(医療健康とは関係ない。)。

 

binbocchama.hatenablog.com

 

最近、はてなブログの一部のユーザーの管理画面には「行動に基づくおすすめベータ版」というのが提供されている。

それでいけてる氏のとある記事が表示されたので読んでみたら反マスク、反ワクチンになっていたわけである。

 

で、はてなブログで標準医療に反する見解を示す記事を見つけたときだが、まず一番下までスクロールする。

そうするといけてる氏のブログでは下記画像のように表示される。

私のを含む、他のはてなブログでも同様である。

f:id:binbocchama:20220403002818p:plain

ブログを報告する

ここで「ブログを報告する」をクリックする。

そうすると新規タブで下記のようなページが開かれるので右側の「問い合わせをする」をクリックする。

f:id:binbocchama:20220403003758p:plain

ブログの報告画面

次の画面に移ったら、プルダウンメニューから「問い合わせ」を選ぶ。

f:id:binbocchama:20220403004244p:plain

そうすると次の画面になるのではてなIDを持っている人はサインインしよう。

はてなIDを持っていない人はメールアドレスを入力する。

f:id:binbocchama:20220403004804p:plain

「お問い合わせ」を選んだときの画面

それでサービス名ですが、はてなブログ(個人)とはてなブログ(法人)とあります。

これはサービス利用者や検討者が選ぶべき選択肢であって、記述内容が有害なことを指摘する際に気にする必要はありません。そもそもオプション項目ですので。

f:id:binbocchama:20220403005158p:plain

サービス名選択

後は

  • 件名
    • 「標準的な医療に反する見解」と書いておきましょう。
  • 詳しい内容
    • 標準医療に反する見解である旨を記述する。いけてる氏に関しては「反マスク、反ワクチンの見解」と書けば大丈夫だった(はず。後述するように、控えが送信されないので不正確では有る。)。
  • 問題が発生したページのURL
    • 記事のURL
  • 返信の要否
    • 「必要」を選んでも報告が無かったので、どっちでもいいです。報告者に対する権利侵害でない場合には返信しない模様。いけてる氏の、有害指定された旨の上掲記事がサジェストされたので結果確認できた次第。

で「情報開示に同意する」(窓口業務のクラウドサービス,zendeskへの情報開示であり、ブログ主への情報開示ではない。)にチェックを入れ、「送信」をクリックすれば良い。

実際、私が下記のツイートをするまで、いけてる氏は通報されたことを推測する記述はしていたものの、断定はしていなかった。

 

なお、送信内容はこちらに控えとして送られてこないので、たまたま見かけたはてなブログの記事を通報し、そのブログのURLを控えてないと結果確認ができなかったりする。必要ならURLを記録しておこう。

「自称リハ」業者、株式会社LAPREが運営する認知症専門リハビリテーションLAPREの景品表示法違反。そして医師法違反。

埼玉県が、認知症専門リハビリテーションLAPREを運営する株式会社LAPRE(代表取締役 岡本 一馬)に対し、優良誤認表示を行っていたとして、措置命令を出した。

www.pref.saitama.lg.jp

命令に従い、表示は変更したようだが、景品表示法違反の表示をした事を告知するように命令を受けたにもかかわらず、その旨は告知していないようだ。

違反事実と命令内容

優良誤認表示の内容としては

  1. 「これが、薬を使わず認知症を改善させた脳のリハビリの方法です」等と表示するなど、あたかも、本件役務には認知症を改善する効果があるかのように表示していた。
  2. 認知症専門リハビリ専門LAPREは日本で唯一改善実績のあるリハビリ施設です。」等と表示するなど、あたかも、日本で唯一の認知症が改善する役務の提供ができる施設であるかのように表示していた。
  3. 「当院は様々なメディアで取り上げられております」等と表示するなど、あたかも、本件役務が様々なメディアの企画又は特集として取上げられているかのように表示していた。
  4. 「事実、認知症専門リハビリを受けたご家族様はこのような結果を手に入れています・・・」等と表示するなど、あたかも、体験談が掲載された12名の顧客は、本件役務の提供により認知症が改善した体験を有しているかのように表示していた。
  5. 「※個人の感想であり、成果を保証するものではありません。」と表示するなど、当該表示は、一般消費者が上記12名の顧客の体験談の表示から受ける本件役務の効果に関する認識を打ち消すものではない。

と挙げられている。

命令内容

そして命令として

  • 景品表示法に違反する表示を行っていたことを一般消費者に周知徹底すること。

  • 再発防止策を講じて、これを従業員に周知徹底すること。

  • 今後、同様の表示を行わないこと。 

が挙げられている。

しかし、2月18日にこの処分を知って以来、私はLAPREのウェブサイトを「景品」でページ内検索をしているが、ヒットしない。

認知症専門リハビリLAPRE | 認知症の改善を諦めないでください

命令が出されたのが2月17日なので、その日だけ違反事実を告知していた可能性は否定できないが。なお、後述するように埼玉県から指摘された表現は変えてあるので、ウェブサイトの管理を業者任せにしているから、という言い訳は通じないだろう。

 

また命令内容は「利用者」「契約者」「顧客」ではなく「一般消費者」である以上、個別の利用者に告知すればよいわけでは無いと思うが。

認知症の改善効果の表示

これに関しては

実際には、顧客が認知症の診断を受けていない場合にも本件役務の提供はなされており、さらに、認知症が改善したとする定義は医師が診断した結果によるものではなく、MMSE等のいわゆるスクリーニング検査の点数の向上又は顧客の主観的意見及び顧客の家族の客観的意見によるものであった。

と説明している。

なお、埼玉県の資料掲載の画像では「認知症改善させた」となっているが、本記事執筆時の画像は「認知症好転させた」と変えてある。

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埼玉県発表資料における表示

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2月20日時点でのLAPREウェブサイトの画像

もっとも一般の読者の理解を前提にすれば、「好転」の意味するところが改善であるだろうし、後述するように現在でも「改善実績のあるリハビリ施設」と自らを表示している。

唯一性の表示

これに関しては

実際には、第三者機関による調査の結果等で、日本で唯一認知症が改善できる施設であるとされたのではなく、同様の施設が存在しないと自認しているのみであった。

と説明している。

認知症専門リハビリ専門LAPREは日本で唯一、改善実績のあるリハビリ施設です。」という表示は現在、「認知症リハビリLAPREは日本でも数少ない、改善実績のあるリハビリ施設です。」となっている。

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2月20現在の表示。「認知症リハビリLAPREは日本でも数少ない、改善実績のあるリハビリ施設です。」

認知症の改善効果を表示するな、と言われただろうに。

体験談と打ち消し表示

4の体験談表示に関しては

実際には、

(1.)体験談が掲載された12名の顧客うち、6名は医療機関に通院しており、そのうちの2名は薬を服用していたが、本件役務の効果によってのみ認知症が改善されたと判断できる医師の施術記録等はなかった。

(2.)残りの6名は、認知症の診断を受けていないにもかかわらず、本件役務の効果によって認知症が改善されたと評価されていた。

上記(1.)及び(2.)から、体験談が掲載された12名の顧客は、認知症が改善したとの体験談を有しているとはいえない。

と説明され、その体験談に「個人の感想であり、成果を保証するものではありません。」と表示したことに関しては

当該表示は、一般消費者が上記12名の顧客の体験談の表示から受ける本件役務の効果に関する認識を打ち消すものではない。

と説明している。

治療効果の体験談広告を禁止する医療広告ガイドライン

病院、診療所の広告を規制する医療広告ガイドラインでは「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告」を禁止している。

(5) 患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談
省令第1条の9第1号に規定する「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告をしてはならないこと」とは、医療機関が、治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するものであるが、こうした体験談については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療に関する広告としては認められないものであること。
これは、患者の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。
なお、個人が運営するウェブサイト、SNS の個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しないこと。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf#page=11

本件施設は理学療法士である岡本氏が運営しているものの、病院、診療所ではない(詳細は後述)ので医療法の広告規制は受けない。

しかし体験談の打ち消し表示に関しては消費者庁がすでに「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点」という報告書を出している。

消費者庁による、体験談を用いた広告に関する留意点

同報告書では

体験談を用いる際は、体験談等を含めた表示全体から「大体の人に効果がある」と一般消費者が認識を抱くことに留意する必要がある。
また、試験・調査等によって客観的に実証された内容が体験談等を含めた表示全体から一般消費者が抱く認識と適切に対応している必要があるところ、上記のような認識を踏まえると、実際には、商品の使用に当たり併用が必要な事項(例:食事療法、運動療法)がある場合や、特定の条件(例:BMIの数値が 25 以上)の者しか効果が得られない場合、体験談を用いることにより、そのような併用が必要な事項や特定の条件を伴わずに効果が得られると一般消費者が認識を抱くと考えられるので、一般消費者の誤認を招かないようにするためには、その旨が明瞭に表示される必要がある。

とし、「求められる表示法」として

体験談により一般消費者の誤認を招かないようにするためには、当該商品・サービスの効果、性能等に適切に対応したものを用いることが必要であり、商品の効果、性能等に関して事業者が行った調査における

(ⅰ)被験者の数及びその属性、

(ⅱ)そのうち体験談と同じような効果、性能等が得られた者が占める割合、

(ⅲ)体験談と同じような効果、性能等が得られなかった者が占める割合等

を明瞭に表示すべきである。

としている。

現在でもLAPREのウェブサイトには体験談が掲載されているが、体験談と同じような効果が得られなかった者の割合は記載されていないようである。

「自称リハ」「無免許医業」としての本件役務の問題

LAPREの運営者である岡本氏は国家資格である理学療法士(PT)である。

他に作業療法士(OT)がスタッフにいることはYoutubeのチャンネルで確認できているが、LAPREの施術者全員がPTやOTなどの国家資格を持っているかは不明である。

PT、OTの免許と業務範囲

PTやOTの免許の業務範囲は医師の指示下や診療所等内に限定される。

以下の引用は理学療法士及び作業療法士法から。

(定義)
第二条 この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。


2 この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。


3 この法律で「理学療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下に理学療法を行なうことを業とする者をいう。


4 この法律で「作業療法士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に作業療法を行なうことを業とする者をいう。

と定義され、

(業務)
第十五条 理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定*1にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。


2 理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定は、適用しない。

と、診療の補助、つまり医師の指示を受けての行為としてのみ、理学療法又は作業療法を業として行えることが規定されている。

つまり医師の指示を受けなければ相対的医行為(看護師等が医師の指示を受けた上で行える行為)に該当する行為であっても業として行えない。

日本理学療法士協会も以下の通知を出している。

保険適用外の理学療法士活動に関する本会の見解


 最近、理学療法士が施術所、患者宅等において脳卒中後遺症患者、腰痛・頸肩腕障害患者等に対し、医療保険介護保険を利用せず、理学療法を実施する行為を宣伝したホームページが見受けられます。また、各地から理学療法士による違反行為としての指摘を受けております。

 身分法上は、「理学療法士とは、厚労大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を用いて、医師の指示の下、理学療法を行うことを業とする者をいう。」となっています。したがって、理学療法士が医師の指示を得ずに障害のある者に対し、理学療法を提供し、業とすることは違反行為となります。


 本会としましては、理学療法士の「開業権」及び「開業」については、現行
法上、全く認められるものではないとの見解に立っています。


 ただし、身体に障害のない方々への、予防目的の運動指導は医師法、理学療
法士及び作業療法士法等に抵触しませんが、事故あるときには、他の法的責任
が免除されることはありません。医師とのしっかりとした連携の上で、より安
全で効果的な運動指導を行うことが求められます。

https://www.japanpt.or.jp/upload/japanpt/obj/files/members/kyuukoku20150130.pdf

 

自費リハビリと自称リハ

最近は「自費リハビリ(自費リハ)」として開業・施術しているPT,OTが増えている。

 

日本医師会総合政策研究機構が経済産業省の事業として作成した令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(公的保険外・医療周辺サービス実態調査)調査報告書では

医療機関が実施するリハビリテーションには、公的保険によるものと公的保険外によるものがある。また、医療機関以外の民間事業者が医療行為ではないサービスを「自費リハビリ」と称して提供している。本稿ではこれらの「自費リハビリ」を「自称リハ」と呼ぶ。

 と記述し、以下のように図示している。

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日医総研報告書p82より、公的保険と自称リハの区分

 

公的保険外で、医師の指示のもとに行われるリハビリであれば「自費リハビリ」で良いと思うが、医師の指示無しでのリハビリ・治療行為は前述のとおり、業として行える法的根拠も無く、「自称リハ」という名称は妥当だと思われる。

 

また埼玉県は本件発表で、LAPREを「整体院等を経営する事業者」としていること、免責事項のページで

当院の施術は医療行為ではありません。自身の自己回復力・維持力を高める為に筋骨格系に重点をおく代替療法です。施術効果が最大限上がるように様々な手技や体操指導等行いますがいわゆる確実な治療効果や治癒を保証するものではございません。

認知症専門リハビリLAPRE | 免責事項

と医療行為であることを否定していることから、医師の指示を受けてはいないと考えられる。「リハビリの流れ」にも、医師を関与させるような記述は見受けられない。

無免許医業(医師法違反)について

医師法17条で無免許医業は禁止されている。医業は医行為を業として行うことであり、

医行為とは,医療及び保健指導に属する行為のうち,医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいうと解するのが相当である。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89717

本件役務の医療関連性

本件役務に関しては、「認知症の改善」改め「認知症状の好転」を目的・効果として表示しているが、これが「医療及び保健指導に属する行為(医療関連性のある行為)」であることに異議がある方はおられないと思う。

 

binbocchama.hatenablog.com

診察行為と適切な治療機会を逸失するおそれ

問診や超音波検査などの診察行為はそれ自体では身体を傷つけるなど、積極的な健康被害を招くものではない。しかし診察結果を誤った場合、適切な治療機会を逸失するおそれ(消極的弊害)があり、保健衛生上の危険性が有る行為とされる。

問診に関しては最高裁決定(判例*2があり、超音波検査も裁判例がある。*3

医師が無資格者に行わせることができる行為の基準としては「患者に危害の及ぶことがなく、かつ、判断作用を加える余地に乏しい機械的な作業を行わせる程度」ということが判示されている。

 

binbocchama.hatenablog.com

binbocchama.hatenablog.com

 

また民間療法の治療家側が通常の医療を否定し、その結果、患者が死亡した事例もある。

 

binbocchama.hatenablog.com

本件役務における診察行為や身体状況の判断

「リハビリの流れ」では認知症状の本当の原因を突き止め、「今の脳の状態」について説明するそうだ。

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LAPREウェブサイトより、リハビリの流れ

これはまさに診察・診断というわけで、PTやOTが医師の指示なしに業として行える行為ではない。医師法17条に違反する。

消極的弊害の可能性

LAPREのウェブサイトを「薬」でページ内検索をするとわかるが、薬に対する悪印象を植え付けている。例えば「認知症を改善させるときに、とりあえず脳トレや薬を飲むことは間違っています!!」などと書いている。

埼玉県が指摘したように、体験談が載せてある患者顧客には薬を服用しており、施術のみの効果とは認められない、と判断されている人が2名いる。

(1.)体験談が掲載された12名の顧客うち、6名は医療機関に通院しており、そのうちの2名は薬を服用していたが、本件役務の効果によってのみ認知症が改善されたと判断できる医師の施術記録等はなかった。

施術で認知症状が改善したと思い込んだ顧客が、勝手に薬の服用を止め、症状を進行させる可能性が否定できない。

症状の改善の結果、薬の服用を止めれるようになることは喜ばしいが、何も薬に悪印象を与える広告をしなくても良いと思うが。

このような広告をしている業者が、症状が自覚上改善し、薬をやめたいと言った顧客に対し、まず主治医に相談するように助言できるのか。

施術料金の返還を求めるには

LAPREの施術料金は半年、24回で約30万円らしい。

消費者契約法による施術契約の取り消し

消費者契約法では役務の勧誘の際、重要な事実について、事実とは異なることを告げた場合(不実告知)、契約を取り消せることになっている。

公序良俗違反による契約無効

LAPREの業務が医師法違反の業務であることは既述のとおり。

なので違法業務の契約だから公序良俗に反して無効(民法90条)。

だから施術料金を返還しろ、と請求できる。

特定適格消費者団体による訴訟

今回の埼玉県の認定をそのまま使えるかはわからないし、30万円程度なら弁護士費用で消えてしまいそうである。

なので一度、特定適格消費者団体にご相談を薦める。

特定適格消費者団体は集団消費者被害の回復訴訟を行える。

具体例としては医大入試の女子差別に関する訴訟である。

www.tokyo-np.co.jp

訴訟は多数の被害者の一括救済を図る消費者裁判手続き特例法に基づき、機構が受験生に代わって起こした。訴訟手続きは2段階で、大学の返還義務を認めた判決が確定すれば、次は個別の支払額を決める。機構は1人当たり約4万~6万円が返還され、対象者は約3000人に上るとみている。

埼玉県にはこの裁判を起こせる特定適格消費者団体である埼玉消費者被害をなくす会がある。

適格消費者団体 特定適格消費者団体 特定非営利活動法人 埼玉消費者被害をなくす会

被害者の方は相談してみてはどうだろうか。

 

*1:第三十一条 看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。
2 保健師及び助産師は、前項の規定にかかわらず、第五条に規定する業を行うことができる。
第三十二条 准看護師でない者は、第六条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。

*2:

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51069

*3:東京高裁平成元年2月23日判決 昭和63(う)746 判例タイムズno.691 1989.5.15 p152 東京高裁(刑事)判決時報40巻1〜4号9頁

長尾和宏医師の違法診療疑惑と、医師法に違反する商売の助長。カイロプラクターをリハビリのリーダーにし、開業したカイロプラクティック店を推薦している。

 

長尾 和宏という、メディアによく出る医師がいる。

一般書籍もたくさん出しているようだ。

本記事の要旨

  • 長尾医師の保健師助産師看護師法保助看法)違反疑惑。看護師や理学療法士鍼灸マッサージ師などの医療系国家資格を持たない作本 正次氏(カイロプラクター)を長尾クリニックのリハビリのリーダーとしていた。
  • 作本氏の医師法第17条違反(無免許医業)。作本氏は現在、カイロプラクティック店を経営している。その業務内容はレントゲン写真の撮影の際のポジショニング、レントゲン写真の読影を伴い、医師法違反の犯罪業務である。
  • 長尾医師による医師法違反業務の助長。作本氏のカイロ店のサイトには長尾医師が作本氏を推薦する動画・言葉が掲載されている。
  • カイロプラクターが読影することを認識しながらレントゲン撮影をしている芦屋(R)いいだ内科クリニックの飯田 哲士医師は医師法違反の幇助犯か、共同正犯である。

 

長尾氏は新型コロナウィルスに関し、イベルメクチンという薬剤を推し、医師免許をかけるとも言ったそうで。

 長尾院長は現在、2類相当に分類されるコロナを季節性インフルエンザと同じ、5類扱いにするよう提言。(略)

 また「イベルメクチンという特効薬があって、誰でも使える。疥癬(かいせん)の治療で普段使ってる薬。これを全国民に配る」と話し、「アベノマスク」に匹敵する「スガノメクチン」制度も提案した。

 その上で長尾院長は「僕が言ってることが間違ってたら、僕は責任取って医者辞めます」と強い覚悟をにじませ、「1年半やってきて確信してる。今のやり方はわざわざ重症化するのを待っているようにしか見えない。早く治療すればそれで終わり。私が診てる人は1人も死んでない。最初にコンタクトした医者がちゃんとやるには法改正、5類落としが大前提。今やるべきだと思います」と締めくくった。

長尾和弘医師の提言に賛同の声 コロナを5類扱いにすれば「全て氷解」「イベルメクチンという特効薬が…これを全国民に配る」(中日スポーツ) - Yahoo!ニュース

もっとも長尾氏によれば

「5類にして混乱すれば医師免許を返上する」と言ったけど、イベルメクチンに

医師免許を賭けるなんて一言も言っていないのに、勝手にそんなことになっている。

鳴りやまない悲鳴 緊急事態や制御不能とは政府では|Dr.和の町医者日記

だそうである。

 

私のTLでは長尾氏の言動に関しては不評である。

私は医師や薬剤師では無いので薬剤の効能について、あれこれ言う資格は無いと思うが、イベルメクチンに関し、新型コロナウィルスの感染予防に有効なエビデンスは無いようである。

www.gohongi-clinic.com

 

 

また長尾氏は反HPVワクチンらしい。

 

医科の範囲内である、新型コロナウィルスの治療方針や感染症に関する政策に関して、専門知識が無い私がブログ記事を書く意味はない。

私が記事を書くということは無免許医療の話である。

長尾クリニックでリハビリリーダーをしていたというカイロプラクター(国家資格無し)、作本 正次氏。

 

カイロプラクティック・ステーション ありがとう」というカイロ店が兵庫県西宮市にある。

https://chiro-st.com/

院長と称する作本 正次氏のプロフィールには

高校(太成高校:現 太成学院大学高校)卒業後、カイロプラクティックの専門学校に入学(2年制)。

専門学校卒業後、尼崎市の長尾クリニックにて3年半勤務し、退職後『中央カイロプラクティック院堺』にて3年間勤務。

2008年8月17日
当院開院。

 

https://chiro-st.com/about/#sec1

(強調は筆者による。以下、改行も含め同様。)

とある。

日本で医師以外に、独立して身体の状況を判断し、全身の慢性症状を治療できるのは鍼灸マッサージ師のみである。

そして晴眼者向けの鍼灸マッサージ師の養成施設の教育期間は3年以上であるから、作本氏は医療系国家資格を持たない無資格者であると判断できる

 

で、長尾クリニックで勤務していたわけだが、このカイロ店のサイトに、長尾氏が推薦する言葉を動画で寄せている。

https://www.youtube.com/watch?v=hdQdq3SVsCI

f:id:binbocchama:20210819140737p:plain

長尾氏による推薦 https://chiro-st.com/ より

画像のテキストは動画から書き起こされたものである。

以下画像のテキスト。

長尾クリニックの長尾和宏と申します。
作本先生ウチのクリニックのリハビリのリーダーとして、5年前まで働いていただいていました。
彼は本当に勉強熱心で、研究熱心ですね!
休みの日も日曜日でも、いつも時間があったらカイロとか師匠のところに勉強に行って・・・本当に患者さん想いで勉強熱心で・・・
今もがんばってるって聞いてますけども、私もこの通りだいぶ歳いって、腰が曲がって、首が曲がってきましたんで、作本先生の治療を受けたいな!と・・・時間があったら行こうかな?と思っているところです。

長尾クリニックで「リハビリのリーダー」として働いていたそうである。

リハビリは無資格者でも行えるのか?

リハビリに関しては理学療法士作業療法士は名称独占であり、リハビリ自体は無資格でも行える、という言説がある。

なお、理学療法士は医師や看護師と異なり、名称独占資格であるため、理学療法士でなくても理学療法を業として行える場合がある。

理学療法士 - Wikipedia

業務に関し、理学療法士及び作業療法士法では

(業務)

第十五条 理学療法士又は作業療法士は、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として理学療法又は作業療法を行なうことを業とすることができる。

2 理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマツサージについては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定は、適用しない。

とある。

PT,OTを含むコメディカルの法律は、保助看法の例外として、診療の補助行為の一部を業として行うことを認める規定となっている。

医師が無資格者に指示して、行わせることができる行為の範囲

このブログでは何度も言及しているが、医師が無資格者に診療の補助行為をさせたとして、保助看法違反に問われた富士見産婦人科病院事件では、医師が無資格者に行わせることができる行為の条件として

医師が無資格者を助手として使える診療の範囲は、おのずから狭く限定されざるをえず、いわば医師の手足としてその監督監視の下に、医師の目が現実に届く限度の場所で、患者に危害の及ぶことがなく、かつ、判断作用を加える余地に乏しい機械的な作業を行わせる程度にとどめられるべきものと解される。

東京高裁平成元年2月23日判決 昭和63(う)746

判例タイムズno.691 1989.5.15 p152 東京高裁(刑事)判決時報40巻1〜4号9頁

と判示されている。

 

binbocchama.hatenablog.com

長尾クリニックにおける、リハビリリーダーの仕事は?

長尾クリニックでは現在も診療補助スタッフを募集している。

診療補助スタッフの募集 | 採用情報 | 長尾クリニック

具体的な仕事の内容は書かれていない。

また現在は理学療法士も在籍しているようである。

 

理学療法士がいれば、無資格者がリハビリのリーダーにはなれまい。

つまり作本氏が在籍していたとき、少なくともリーダー就任時には長尾クリニックにPTがいなかったと推測される。

「判断作用を加える余地に乏しい機械的な作業」しか行わないのであればリーダーである必要も無いと思う。看護師が判断を伴う行為をするのであれば、その看護師がリーダーであるべきだろう。

 

現在の作本氏の業務は医師法第17条に違反する業務である。作本氏が現在と同様の行為を長尾クリニックでしていたとなれば、長尾氏も医師法違反、保助看法違反となる。

しかし長尾クリニックで、作本氏にカイロプラクティック施術や、判断を伴う行為をさせていたと直接認められる記述が見当たらない。

なので長尾氏に関しては保助看法違反の「疑惑」を指摘する程度しかできない。

 

もっとも作本氏が長尾クリニックで、判断要素に乏しい機械的な作業しかしてなかった場合、医師である長尾氏が「患者さん想いで勉強熱心で」と評価したり、「先生」と呼ぶだろうか?

作本氏のカイロプラクティック業務。レントゲン撮影のポジショニングと写真の読影医師法違反は確実である。

カイロ店のサイトによると

当院では初回の施術を行う前に、提携医療機関にてどんな症状の方でも頚椎(首の骨)のレントゲン撮影をお願いしております。

https://chiro-st.com/price/#flow 

 だそうである。

 

で、撮影に関しては以下のように説明している。

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https://chiro-st.com/first/#sec2 より

スクリーンショットのテキストより

ゆがみを見る専用のレントゲン写真になるため、「いかに真っ直ぐに撮影しているにも関わらず、首の骨がどれぐらいゆがんでいるのか?」が重要になります。

首のレントゲン写真なら何でも良いというわけではございません。

アトラス・オーソゴナルで使用するレントゲン写真は、『撮影時の患者さんの姿勢』・『レントゲンのカメラの角度』・『カメラと患者さんまでの距離』など細かく決まり事があります。

当院では、アトラス・オーソゴニスト認定の院長が撮影には必ず立ち会い、妥協することなく細かくセッティングを行なった状態で、医師に撮影していただきます。

(日本ではカイロプラクターがレントゲン撮影を行なう事はできないので、提携医療機関で医師に撮影をしていただきます。)

https://chiro-st.com/first/#sec2

要は作本氏が体位・姿勢などを決め(ポジショニング)、医師はボタンを押すだけ、ということである。

レントゲン撮影のためのポジショニングは人の健康に害を及ぼすおそれのある行為である。

私のフォロワーの方はご存知のように、医療系国家資格を持たない者が治療目的で行える行為は「人の健康に害を及ぼすおそれの無い行為」に限定される。*1

前述の富士見産婦人科病院事件の裁判では、行為自体ではほとんど危険性のない超音波検査も、「誤った観察や判定をする危険が常に多分に存在し、ひいては検査結果を医師の診断、治療の用に供することによって、その診断等を誤らせる危険性があるものといわざるをえない。 したがって、Aが無資格でしていた本件超音波検査は、人の健康に害を及ぼすおそれのあるものであったと認められ」るとしている。

 

レントゲン撮影は放射線被曝を伴うものであり、保健衛生上の危険性が有ることは疑いがない。

では撮影のためのポジショニングはどうか?

適切な診断のためには適切な画像が必要であり、適切な画像を得るためには適切な撮影が必要である。

そして撮影ごとに放射線被曝がある以上、無駄な撮影は避けるべきである。

不適切なポジショニングは無駄に撮影回数を増やしたり、適切な診断ができなくなるという点で、人の健康に害を及ぼすおそれの有る行為である。

 以下のツイートは看護師による放射線照射について、放射線科医であるPKA先生に聞いたときの回答である。

 

よって、医師でも診療放射線技師でもない作本氏のポジショニングは医師法17条に違反する犯罪業務である。

無資格者によるレントゲン写真の読影医師法違反である。

カイロ店のサイトによれば

レントゲン撮影を行うことで、生まれつきの骨の奇形や加齢による変形など各々に起こっている首の変化を確認し、リスクを無くし安全で安心な施術を提供する事が出来ます。
(必要な診断は全て医師に行っていただきます。)

またそのレントゲンを0.5mm・0.25度単位でカイロプラクティック的に分析する事で、正確にゆがんでいる方向と角度を導き出し、的確な施術が行え、患者さん自身も自分のゆがみを目で見て確認することができるので、「自分がどれぐらいゆがんでるのか?わかって良かった!」と喜んでいただいております。

https://chiro-st.com/first/#sec1

だそうだ。

ちなみに医師、歯科医師以外によるレントゲン写真の読影医師法歯科医師法違反である。

 

国家資格である柔道整復師がレントゲン写真を撮影し、読影したのが医師法違反に問われた事件で最高裁は、撮影行為は診療放射線技師法違反(当時)であって、医師法違反ではない、と判断し、撮影行為に医師法違反を適用した控訴審の判断を誤りとしたが、

 被告人(筆者注:柔道整復師)は、エックス線写真の読影により骨折の有無等疾患の状態を診断することをも業としたものであって、この行為については同法三一条一項一号の罪(筆者注:医師法17条違反の罰則)が成立するのであるから、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するということはできない。

裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan

と判示されている。

柔道整復師は骨折の応急手当を認められている国家資格であるが、それでもレントゲン写真の読影医師法違反となるのである。ましてや医療系国家資格を持たないカイロプラクターをや。

問診や身体状態の検査も行っている。

症状、疾病の治療を目的として症状や既往歴を尋ねるのは問診であり、医行為である。

 

binbocchama.hatenablog.com

最高裁では以下のように判示している。

断食道場の入寮者に対し、いわゆる断食療法を施行するため入寮の目的、入寮当時の症状、病歴等を尋ねる行為(原判文参照)は、その者の疾病の治療、予防を目的とした診察方法の一種である問診にあたる。

裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan

 で、作本氏のカイロ店のサイトには

2受付

(略)

受付で問診表(初診者申告書)をお渡し致しますので、当院自慢のキレイな待合室で記入をお願い致します。

(略)

3カウンセリングと事前説明

ご記入いただいた問診表を基に、詳しく症状やお身体の状態について、お伺いしていきます。

メンタル系疾患や婦人科疾患、お薬のことなど、お話しにくいこともあると思いますが、お身体の為ですので、詳しくお話いただけますよう、よろしくお願いします。

https://chiro-st.com/price/#flow

と症状や既往歴を聴取する旨が書かれている。

また触診して身体状態を判断する旨のことも書かれている。

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首のゆがみのチェック https://chiro-st.com/price/#flow

以下、スクリーンショットのテキスト

当院で行なっている『アトラス・オーソゴナル』では、首の筋肉や神経を押してみての硬さや痛さのチェックと、足の長さのチェックで患者さんがどのような状態にあるか?またどれぐらいゆがんでいるのか?の評価をしていきます。

https://chiro-st.com/price/#flow

 

無資格者が身体状況の判断を伴う行為ができないのは前述のとおりである。

カイロプラクティック施術の危険性

カイロプラクティックによる健康被害は行政によって報告されている。

よって、カイロプラクティックは人の健康に害を及ぼすおそれのある行為である。

手技による医業類似行為の危害−整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も−(発表情報)_国民生活センター

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_170526_0002.pdf

長尾医師の言動は犯罪業務の「助長」であり、行政処分すべき。

作本氏のカイロプラクティック施術業務が犯罪業務であることは前述のとおり。

よって、彼を推薦することを公にしている長尾氏は犯罪を「幇助」しているとは言えないものの「助長」していると言える。

ちなみに医師に対する処分の理由として医師法には

 第七条 医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。

一 戒告

二 三年以内の医業の停止

三 免許の取消し

 

第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。

一 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者

三 罰金以上の刑に処せられた者

四 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

とある。

 医師に対する処分を決定するのが医道審議会であるが、実際は刑事処分の後追いがほとんどであり、独自に「品位を損するような行為」を判断して処分したことは無いようである。

医の倫理の基礎知識|医師のみなさまへ|医師のみなさまへ|公益社団法人日本医師会

 

ちなみに弁護士の場合、弁護士法56条で「弁護士及び弁護士法人は、この法律(略)又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。」とあり、日弁連が定めた弁護士職務基本規定第14条で違法行為の助長を禁止している。

 

医師法違反業務の助長は「医師としての品位を損するような行為」であり、本来なら行政処分すべきだと考える。

作本氏の犯罪業務を「幇助」している兵庫県芦屋市の芦屋(R)いいだ内科クリニック、飯田 哲士医師

作本氏のカイロ店の提携医療機関として、長尾クリニックとともに紹介されているのが芦屋市の芦屋(R)いいだ内科クリニック(以下、「いいだクリニック」)である。

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カイロ店の提携医療機関 https://chiro-st.com/about/#sec5

芦屋(R)いいだ内科クリニック|阪神芦屋駅1分|内科 消化器内科 内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)

いいだクリニックに関しては「当院からの依頼で頚部(首)のレントゲン撮影をしていただいております。」と書いてあり、長尾クリニックには撮影をしてもらっている旨が書かれていない。

これが長尾医師を犯罪業務の「幇助」ではなく「助長」と書く理由である(反対解釈)。

 

もっとも飯田氏に関しては、作本氏が読影することを認識した上で撮影しているのだから共同正犯の可能性も否定できない。

私は法律の素人なので共同正犯と幇助犯の区別がわからないが、罰金刑以上に処せられれば医業停止や医師免許取り消しも有り得る訳である。

 

この記事を読まれた医師の先生方には、整体師やカイロプラクターなどの無資格業務に関わらないよう、お願い申し上げます。

 

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