- 公園が、予算支出の目的外で作られ、会計検査院に目をつけられるとやばい案件だという、元地方公務員のYouTuberによる指摘
- 青木島遊園地ができたのは、借地の公園が廃止可能になった年
- 環境基準などを守れていない可能性
公園が、予算支出の目的外で作られ、会計検査院に目をつけられるとやばい案件だという、元地方公務員のYouTuberによる指摘
- 青木島遊園地は地域の住民が利用することを目的に予算支出がされている。国からの補助金が有るとすれば国交省や環境省。
- 小学校や保育園、児童センターの管轄は文科省や厚労省。
- 青木島遊園地は他の遊園地とは設備などが異なる。
- 会計検査院に目をつけられるとやばい。
といったところか。なお、長野市に対する令和3年度の「国・県支出金は497億円(28パーセント)、地方交付税は236億円(13パーセント)」だそうである。
小泉一真長野市議会議員によれば、児童センターと一体で利用できるように公園は整備された、とのこと。
【「子どもの声がうるさい」クレームで遊園地廃止】
— 小泉一真:長野市議会議員 (@kazumakoizumi) 2022年11月8日
児童センターと一体的に利用できるよう、また近隣の小学校・保育園が有効利用できるよう、この場所に遊園地が設置された。
廃止する理由を、子どもに何と説明するのか。「怖いクレーマーに市長は立ち向かわなかったから、しょーがないよね」とでも? https://t.co/d33AFCqVfr
小学校、保育園にはそれぞれグラウンドが有るわけで、児童センターのグラウンドとして使うなら、児童センターの施設として整備すべきだろう。
公園を作る時点から色々間違っているようだ。
青木島遊園地ができたのは、借地の公園が廃止可能になった年
また借地を利用した公園を廃止できるようになったのも青木島遊園地が作られた2004年かららしい。
1956年に制定された都市公園法は公園の設置基準を定めているが、同法では借地に公園を開設することも可能だった。しかし、都市公園法で整備された公園は容易に廃止できない。いったん公園になってしまうと、地主は返還を求めることが難しい。これでは公園用地を貸してくれる地主は少ない。
青木島遊園地は「借地公園」
こうした状況を改善し、借地公園を増やす目的で2004(平成16)年に都市公園法が改正される。同法改正によって、借地公園の賃貸の契約期間が終了したときに公園を廃止できることが明確化された。
契約期間の長短は自治体によって異なるが、おおむね15年から20年といったところが相場で、長野市では20年と定められていた。問題になった青木島遊園地も
「借地公園」
で、2004年4月に契約を交わしている。
長野「公園廃止問題」を炎上させる感情的な人たち 「老人クレーマーvs子育て世代」という単純な図式を捨て、まずは公園の歴史を学べ(Merkmal) - Yahoo!ニュース
借地であることに興味を示す方々もおられるが、私はそのあたりに詳しくないので。
環境基準などを守れていない可能性
小泉氏は騒音の測定データが無いので、騒音を理由にした廃止はおかしい旨、主張している。
【「子どもの声がうるさい」クレームで遊園地廃止】
— 小泉一真:長野市議会議員 (@kazumakoizumi) 2022年11月8日
「かなりの音」については測定データなし。
利用者が少ないのは、クレーマーを子どもが怖がるため。「愛護会活動」が継続できないのは、利用者が少ないため。以上、市に確認
廃止理由は、クレーマーが作り出したもの。
クレーム言ったもん勝ちですか pic.twitter.com/LJJeml1IvC
子供の声は現在のところ、直接の法規制対象ではないが、騒音の規制基準に比べてどうかは参考になるだろう。子供の声が問題となった裁判(仮処分)でも環境基準を判断基準に用いている。
https://nh-noiselabo.com/wp-content/uploads/2014/07/bd1fb6ad5ab13fa3505c074855b235de.pdf
子供の声の騒音レベル
まず子供の声の騒音レベルであるが、
まず、保育園の園庭で子どもたちが遊んでいるとき(園児たちの中心から距離10m地点)の騒音レベルの大きさですが、園児50人が遊んでいた場合の平均的な騒音レベル(等価騒音レベル)は約70デジベル。20人程度の場合には、約65デジベルという結果が出ました。
これを基準に上端値との関係を調べたところ、騒音レベル変動の上端値(L5)は等価騒音レベルに約5デシベルを加えた値になることもわかりました。つまり、園児50人が園庭で遊んでいるとき、集団の中心から距離10mにおいて、等価騒音レベルで70デシベル、上端値(L5)で75デシベルの音が出る可能性があるということです。これは近隣住民が「うるさい」と感じても無理はない大きさといえます。
わかりやすくするため、公害騒音として騒音規制法の規制対象となっている工場騒音と比べてみましょう。
プレス工場や木材加工工場など、騒音規制法の対象となる大きな騒音を発生させる工場を特定工場と呼びますが、この特定工場からの騒音の規制値(上端値〈L5〉の値で決められている)は、一般住居地域の昼間で最大60デシベルです。敷地境界でこれ以上の騒音が出ていた場合は、罰則の対象となり、速やかに規制値以下となるよう防音対策を行わなければなりません。
ということである。上記で紹介された研究は以下のPDF。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/81/729/81_909/_pdf
青木島遊園地付近の騒音レベルの計算
基準となる距離と騒音レベルがわかれば、ある距離での騒音レベルの計算は可能である。
上記サイトで10mで75dBを基準にする。
青木島遊園地の南北方向の長さは約40mである。なので中心で子供が遊んでいる場合、騒音源から境界までの距離は20mとなる。そうすると68.98dBとなり、60dBを超えている。*1中心から10mを70dBで計算しても20m地点では63.98dBと60dBを超える。
なお、小泉氏は40〜50人が一度に遊んでいることに疑問を呈している。
【FACT CHECK: 毎日40-50人が毎日!?】
— 小泉一真:長野市議会議員 (@kazumakoizumi) 2022年12月12日
遊園地開設当時には、一度に40人から50人の利用者があったが、測定の記録はない。また現在は殆ど遊園地が使用されず、当時と状況が異なるため、測定は行っていない。その明確な時期については把握していない。
...これで廃止?#公園廃止https://t.co/gjcWIy4Znt
というわけで20人程度の65dBで計算してみると58.98dBで、かろうじて基準の60dBを下回る。なお上端値(L5)では70dBなので計算結果は上記の通りで60dBを超える。
20人の等価騒音レベルならクリアできそうだが、子供たちは自らの中心を、公園の中心に合わせてくれるだろうか?普通は出入り口側(つまり苦情主の住宅側)に寄りそうだ。中心距離から17mの時点で60.39dBで基準を超えてしまう。
これなら子供たちの中心を南側にずらすために植栽することは、騒音抑制のための対応としては合理的なものであり、この対応をもって苦情主を「上級国民」と判断することは失当である。
そんなわけで、実際に測定したら騒音規制を超える値が出る可能性が高い。
見なかったことにしよう?
もしかしたら市側は非公式に測定したのかもしれないが、不利なデータが出たから「見なかったことにしよう」としたのかもしれない。知らんけど。
*1:有効数字がどうなのよ、って気もするが下手に繰り上げると突っ込まれそうで、そっちが面倒である。