#SinghBCA というタグ。カイロプラクティック団体は名誉毀損での裁判が好きなようだ。

私がカイロプラクティック施術があはき法等に違反すると当ブログで記述したこと、

日本カイロプラクターズ協会(JAC)がはてな社に対し、私の記事が名誉毀損などであるとして発信者情報開示請求をおこなったこと、

はてな社が非開示の決定を行ったことは既報のとおりである。

 

binbocchama.hatenablog.com

 

JACカイロプラクティックの日本代表団体として、世界カイロプラクティック連合(WFC)に加盟している。

世界カイロプラクティック連合(せかいカイロプラクティックれんごう、英語: World Federation of Chiropractic、フランス語: La Fédération mondiale de Chiropratique 、スペイン語: La Federación Mundial de Quiropráctica、略称:WFC)は、世界90ヶ国のカイロプラクティックの業界団体が参加する国際的な非政府組織である。カイロプラクティックの団体としては唯一世界保健機関(WHO)の会合にオブザーバーとしての参加が認められている。国際医学団体協議会(CIOMS)の準会員に所属している。

世界カイロプラクティック連合 - Wikipedia

 WFCはツイッターのアカウントを開設している。

twitter.com

そんなわけで、JACとの顛末を英語でお知らせした。

 

そしたら以下のような引用RTがされた。 

 

グーグルで翻訳しろ、ということである。

当該アカウントのページの翻訳では

カイロプラクティック(明確に定義する必要があります)に重点を置いた偽医療防止Webサイトの編集者。

Blue Wode (@Blue_Wode) | Twitter

と書いてある。

#SinghBCA というタグ

さて、#SinghBCA というタグとともに引用RTされているわけだが、どういう意味だろうか?

英語が苦手な筆者は、このタグのツイートだけを見てもわからないのでググってみた。

で、以下のページにたどり着く。

https://bastardsheep.com/tag/singhbca/

で、記事につけられたタグを見てみると

  • Simon Singh
  • BCA
  • British Chiropractic Association

といったタグも同時に付けられている。

つまり、Singhはサイモン・シンであり、BCAは英国カイロプラクティック協会なのだ。

BCAはサイモン・シン名誉毀損で訴え、控訴審では訴えを取り下げている。

まず1つ目は、本書の著者の1人であるサイモン・シンが、英国カイロプラクティック協会に名誉毀損で訴えられた一件である。2008年、本書の原書がイギリスで刊行されるのに合わせ、シンは『ガーディアン』紙のウェブ版のコラムで、子どもの腹痛や喘息などを治療できるとして、子どもに施術しているカイロプラクターがいると述べた。

英国カイロプラクティック協会はそれに対し、シンの書き振りは、まるで協会の指導部がそれと知りつつインチキ療法を許しているかのように読め、事実上、協会の指導部を不当にも非難するものだとして法廷に訴えたのである。

(略)

 

サイモン・シンが訴えられたケースでも、予想された通り、1審では英国カイロプラクティック協会の主張が認められ、シンが敗北した。しかしその判決を受けて、科学者やジャーナリストばかりか、著名な司会者やコメディアンなど芸能人までもが、シンの応援に立ち上がった。支援のためにさまざまな活動が行われたようだが、そのひとつとして、科学的根拠がないままに治療効果を謳い、子どもに施術しているカイロプラクターを見つけだし、告発するという摘発キャンペーンがあった。

カイロプラクターの中には、腹痛、喘息、泣きぐずりのほかにも、関節炎から学習障害まで、さまざまな症状を治せると称して子どもに施術する者がいたのである。

この摘発キャンペーンに対処すべく、英国内の有力なカイロプラクティック協会のひとつであるマクティモニー・カイロプラクティック協会は、所属する会員800名にメールを送り、「ウェブサイトで治療を宣伝している者は、サイトを閉鎖すること。協会作成のパンフレット、および独自に作成したパンフレットで、ムチ打ち症や、腹痛を始めとする子どもの病気を治療すると述べたものを撤去し、追って通達するまで使わないこと」との指示を出したが、そのメールもみごとにリークされてしまった。

最終的には、英国のカイロプラクターのうち、なんと4人に1人が取り調べの対象になるという事態に至る。

結局、控訴審ではシンの主張が認められ、その後、カイロプラクティック協会が名誉毀損の訴えを取り下げたことにより、この裁判はシンの勝利に終わった。裁判所はこれにより、科学上の問題は、煩瑣な法廷論争によってではなく、科学論争によって決着されるべきであるとの考えを示したといえよう。

サイモン・シンは、裁判に勝利したとはいえ、ブログ記事の中のたかだか数ワードの表現を擁護するために、2年の歳月と20万ポンド(約3000万円)の支出を強いられることになった。

『代替医療解剖』文庫版訳者あとがき by 青木薫 - HONZ

というわけで、#singhBCA というタグは英国におけるインチキ療法への批判や、その批判に対する恫喝的訴訟(SLAPP)に関連するタグのように思われる。

 

私自身はカイロプラクティックをインチキであるとか、効果が無いとは主張していない。

ただ、保健衛生上の危険性があるから、日本国内で有効な医療国家資格を持たずに業として行えば犯罪であると主張しているまでである。 

また保健衛生上の危険性の有無に関わらず、本来は犯罪である。

 

binbocchama.hatenablog.com

 

 

もっともWFCに加入している、国・地域の代表団体が批判者に対し、名誉毀損を主張している、という点では#SinghBCAと共通している。

#びんぼっちゃまJAC というタグでもつけようかと思うが、海外の人々を巻き込むためには英数字のみの方が良いだろうし、#binbocchamaJAC では長すぎる。

#binJAC というタグを使おうかと思うがどうだろうか?