ラフィネがギフト券などの延長に応じないのは資金決済法逃れのためか?
ラフィネがギフト券などの有効期限の延長に応じていないことは既に書いたとおり。
ギフト券に関しては返金も不可であり、バリュアブルカードというものでは返金手数料をとり、振込手数料もお客様負担のうえで返金することにしている。
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有効期限の延長をすれば済む話ではないか?と私も思っていたし、返金ではなく、有効期限の延長を求める署名運動も行われている。
キャンペーン · ラフィネとその姉妹店のプリペイドカード・ギフト券・ポイントの有効期限を、新型コロナ自粛期間終了後に顧客が利用できる様、延長を望みます! · Change.org
しかし調べてみると、金融関係の法律が理由で、有効期限の延長や、無手数料での返金ができないようである。
金融関係法規の規制
ギフト券やバリュアブルカードなどの前払いの方式を、資金決済法では「前払式支払手段」という。
出資法や銀行法で、無手数料の返金ができない。
前払式支払手段の払戻について書いてある、法律事務所の記事である。
原則として、消費者からの払い戻し要求に対応することはできません。
その理由は、もしも気軽に払い戻しに応じてしまうと、以下の法律に違反する恐れがあるからです。
とある。
詳しくはリンク記事を読んで欲しいが、現金の預かり業務や為替取引は銀行でないとできず、無手数料での返金は預かり業務、ギフト券の返金は為替取引になりかねない、ということである。
資金決済法逃れのため、有効期限の延長ができない。
前払い式支払手段の有効期限が6ヶ月以上で、未使用残高が1000万円を超える場合は財務局(国)に供託金を預ける義務が生じる。
逆に、有効期間が6ヶ月以下なら1000万円以上の未使用残高があっても、供託金を納める義務は生じない。
(3)有効期限が6ヶ月以内であれば、供託義務が発生しない
前払式支払手段の有効期限を6ヶ月以内と設定すれば、供託義務は発生しません。有効期限が6ヶ月を超えない前払式支払手段は、前払式支払手段に関する規制が適用されないこととなっているため、供託義務を回避することができます。
ラフィネのギフト券の有効期限は153日のようである。
第8条 (有効期限)
本件チケットの有効期限は、本件チケットの発行日から153日以内までとします。なお、本件チケットの受領、又は対象商品等との引換えが指定期日までになされなかった場合においても、当社は返金しないものとします。
ラフィネは全国に約500店舗ある。
1店舗あたり2万円の残高が有れば1000万円は超える。
集客力の強い、ショッピングモールなどに出店しているのだから、1000万円は超えているだろう。*1
新型コロナウイルス感染拡大防止のための休業要請がいつまで続くのか不明であるが、27日以上、有効期限を延長すると資金決済法により、供託金を預ける義務が生じるのである。
一般社団法人日本資金決済業協会が作成しているFAQによると
Q1 有効期間6か月のプリペイドカードを発行しましたが、有効期限後利用客があって断り切れずに使用させた場合、このプリペイドカードは資金決済法の適用を受けますか。
A) 発行されている前払式支払手段に有効期間6月と明記されていれば、法の適用対象外となりますが、有効期間が切れても実質的に利用することができるものやシステム上有効期間経過後も利用できるような有効期間が形骸化しているものは、法の適用を受けることとなります。
とあり、ギフト券などを延長した場合には供託義務が生じることになる。
よって、ラフィネが任意の交渉でギフト券などの延長に応じることはないと思われる。
仮に応じれば資金決済法違反になる。
供託金が確保されていないのか?
ただ、今回の休業は国や都道府県による要請に応じてである。やむを得ず延長したのなら、ちゃんと届け出て供託金を預ければ、可罰的違法性は無いようにも思える。
預ける供託金を確保できていないのだろうか?
(2020/05/08追記) ラフィネが自社サイトで資金決済法に言及する。資金決済法を知らない人への説明になっていないけど。
5月8日、ラフィネはコロナ関連のページを更新した。
バリュアブルカードは資金決済法に基づき、取り扱っております。
そのため、期限延長のご要望を多数いただいておりますが、随時状況が変化する中、現時点では休業店舗の営業再開時期についても確実なお約束が出来かねますため、弊社といたしましては、お申込みいただいたお客様には「期限延長」ではなく「返金」の対応とさせていただきますことを何卒ご理解賜りたくお願いいたします。
資金決済法に基づいて取り扱っていることはわかるが、なぜ延長できないのか、無手数料での返金ができないのか、という説明にはなってない。
供託金はどうした?
(2020/05/10追記) 伊東園ホテルズの、宿泊券延長
各種クーポンの「有効期限」についてのお知らせ | 伊東園ホテルズ公式サイト【最低価格保証】関東温泉旅行
◆さとふる返礼ギフト券・宿泊ギフト券GA~GFタイプ
休業対象期間中に有効期限をむかえるもの、有効期限が過ぎたものは、弊社本部宛にお送りください。
弊社にて有効期限を確認でき次第、新しい宿泊ギフト券を発送いたします。
発送にあたりましては、郵便事故を回避するため、追跡確認ができる宅配便を利用させていただきます。
送料につきましてはお客様のご負担でお願いいたします。
弊社宛の送付は元払い、弊社からの発送は着払いとなりますこと、あらかじめご了承ください。
ご返送いただくにあたり、
・必ずお客様のお名前、ご住所、電話番号を正確にご記入ください。
・再発行のタイミングから新たに6か月間有効となります。(6か月を超える有効期間設定は、資金決済法の制約の関係でいたしかねます。)
(略)
≪再発行の時期について≫
4月12日(日)から本部・全店舗を臨時休業している関係で、さとふる返礼ギフト券・宿泊ギフト券の再発行につきましては、緊急事態宣言解除 並びに本部機能の回復後、順次対応して参ります。
また、期限につきましては、再発行から半年間とさせていただきます。
◆その他、割引券・優待券・クーポン・売店券 等
2020年2月~2020年4月 弊社発行の全ての優待券/割引券は「有効期限を2020年12月31日まで延長」いたします。
なお、今回に限り、券面に記載されている除外日を撤廃し「有効期限内のすべての日程で利用可能」といたします。
※2020年2月~2020年4月 弊社発行の2020円優待、お誕生日割引、各種1,000~1,500円クーポン、お年玉クーポン(2~4月対象のもの)、500/200円売店券 等、全て該当となります。
資金決済法の規制に言及しながら、休業期間に有効期限を迎えるギフト券に関し、6ヶ月有効のギフト券を再発行する、としている。
通常の業種ならお互い様で見過ごすことも有るだろうが…
他社や他の業種でもプリペイドカードなどの有効期限を延長しているようだが、資金決済法の問題はクリアしているのだろうか?消費者との間で、ラフィネと同様の問題が発生しているのか、私は把握してない。
有効期限の延長は消費者にとっては望ましいものである。
緊急時だから、ということで大目に見る、ということも不可能ではない。
そもそも資金決済法を知らない場合もある。
また同業者同士ではお互い様、ということで黙認することも有るだろう。
脱法業界とも言えるリラクゼーション業界は、義務を正当に果たしている業界から反発を受けている。
だが、リラクゼーション業界は違法行為を黙認される環境にはない。
実質、無免許マッサージである彼らを我々は許さん。
ラフィネの社長の清水秀文氏は日本リラクゼーション業協会の会長として、政治圧力を加えて、自らの業務を正当化しようとしたのである。
ラフィネとしては口が堅いお客さんになら延長や返金もしたいかもしれないが、それをネットに書き込まれたら、証拠となってしまう。
特に刑事罰が摘要可能な行為なら、2ちゃんねるでの書き込みすら警察が特定する。*2
少なくとも私や、私のフォロワーの鍼灸マッサージ師はそのような書き込みを見つけたら金融庁に通報するわけである。
なので供託金を用意できない限り、ラフィネが任意の交渉で、ギフト券などの延長や、無手数料での返金には応じないと思われる。*3
そのため消費者問題として、消費者契約法に違反する契約または違法施術契約であるから公序良俗に反して無効を主張し、返金を受けるしか無いと思われる。