弁護士ドットコムにある、整体師(鍼灸のみ師)の相談。患者による本人訴訟。

弁護士ドットコムで下記のような相談があった。

整体師です。鍼灸師の国家資格を持っていますが、整体で施術しております。

去年7月にチラシを配布し、そこから来られた70代の首と肩が痛いと来られたお客様に1度施術後、痛みが悪化した、施術後に吐き気がして気持ち悪かった、チラシもHPも誇大広告で違法だと合計40万円の訴訟をされております。

(略)

鍼灸ではなく資格のない整体で業務をしていること、ホームページやチラシの誇大広告、景品表示法違反などで訴えておられます。

(略)

こちら整体師です。答弁についてお聞きしたいです。 - 弁護士ドットコム 労働

40万円の請求なので、原告(被害者)は弁護士には依頼してないと思われる。

また被告である整体師もこんなところで相談しているのだから、弁護士には依頼していないと思われる。

(追記)

そもそも賠償責任保険に加入していれば弁護士費用もカバーされるはず。

ただ、整体などは人の健康に害を及ぼすおそれが無いことが前提なので、健康被害を出した時点で違法である。

違法施術を促すような保険商品は売れない。

(追記終)

 

こういう低額な請求で訴えられた場合でも、まずは弁護士に相談すべきである。

自分でやっても請求棄却に持ち込めるかどうかを判断してもらおう。

 

弁護士に依頼した場合にかかる費用(着手金、成功報酬)よりも安く済むなら口外不可条項をつけて、和解に持ち込む。

 

もっとも私が原告の立場なら、原告の施術はあはき法12条に違反するので施術契約は公序良俗に反し(民法90条)、無効であるから施術料金の返還を求める。

 

被告としては自らの業務が違法と裁判所に判断されるぐらいなら口外不可の条件で和解を申し出てくるだろう。

 

原告がそういう主張をする判決は見当たらないのである。

裁判でそう主張した場合には被告は和解に持ち込み、判決が出てないので判例集には掲載されない、というわけである。

 

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この事件の控訴審判例データベースには載っておらず、和解で終わったものと推認される。

判決に医業類似行為に関する言及があったのだから、原告は控訴審で被告の治療行為はあはき法違反と主張したと推認できる。

 

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これは原告の主張の仕方がダメである。

医師法、あはき法違反を主張していない。

 

 

この相談事例のように、患者が本人訴訟してくる場合もある。

整体師として無免許治療をしている諸君、施術が違法だと訴えられた時に対抗する法的根拠を持っているかね?

 

 

 

 

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